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変わる進学

英語長文化にどう対処

写真:河合塾英語講師の成川博康さん 拡大河合塾英語講師の成川博康さん

写真:駿台予備学校英語講師の増田悟さん 拡大駿台予備学校英語講師の増田悟さん

写真:J PREP斉藤塾代表の斉藤淳さん 拡大J PREP斉藤塾代表の斉藤淳さん

4技能を問う民間試験の活用が見送られた、大学入学共通テストの英語。大学入試センターは15日、共通テスト自体の出題は変えない方針を発表した。一方でグローバルに活躍できる学生を求める流れは止まらず、英語入試は、長文化し、難化する傾向が続いている。3人の専門家に現状を聞いた。

(宮坂麻子、横川結香)

 ■情報、早く読み取る訓練を 河合塾講師・成川博康さん

 近年の大学入試の英語は、長文化が非常に目立ちます。その筆頭が新しい大学入学共通テストの試行調査の問題です。

 河合塾の調べでは、共通1次試験の英語総語数は、1988年度は約2500語でしたが、近年のセンター試験では4千語を超え、2019年度は約4200語。これが共通テストの試行調査は約5400語と一気に増え、各大学の個別入試と比べても突出しています。80分間でどれだけの生徒が最後まできちんと読み切れるでしょうか。

 東京大の前期も15年前の2400語程度から19年度は3千語程度に。早稲田大政経学部も約3500語、慶応大商学部も約3100語。難関大で増えていないのは1千語程度で推移する京都大などごくわずかです。

 もちろん語数と難易度は比例するとは限りません。東大や京大の出題は奥が深く、思考力を試す良問です。気になるのは、長文化するだけで深みのない出題が増えていること。昨今は、雑誌や新聞からの引用も目立ちます。こうした文章は、最初から最後までしっかり読解しなくても、問題文や選択肢をまず読む、結論から読むなどの「受験テクニック」で解答できてしまうものも少なくありません。今回の民間試験の格差の議論と同じで、テクニックを学べる塾や進学校に通う生徒の方がどうしても有利になる。これからの受験生は、情報を早く読み取る訓練が大切になります。

 大学側もグローバル化を強いられ、英語ができる学生がほしいのでしょうが、アカデミックな大学という自負を持って作問を考えてほしいです。

 ■正しい文法理解がベース 駿台予備学校講師・増田悟さん

 最近、授業で英文の和訳をすると、「予備校の授業って和訳するんですね」と驚く生徒がいます。「高校ではオールイングリッシュが中心だったので、和訳はほとんどなかった」という発言に、こちらが驚かされます。「一語ずつ日本語に訳していては追いつかないので、英語のまま理解しなさい」という指導を受けてきた生徒もおり、速読や多読も奨励されています。

 確かに、入試の英語は長文化傾向にあります。内容も、説明文や論説文に加え、TOEICのような実用的な文章も出題される。難関大では1題1千語を超える長文も多く、「大学生でも読めないのでは」と思うような専門的で難解な文章もある。活字を追うだけでは小さな「わからない」が蓄積し、最終的に頭が真っ白になってしまう。ゆっくり読んでわからない文章が速く読んでわかるはずがない。

 私は、入試対策には、語彙(ごい)を増やしつつ文法・構文を正確に理解→日本語に直しながら精読→内容理解という、正統派の取り組みが重要だと考えています。多読も速読もそのベースがあるからこそ、効果が上がるのではないでしょうか。

 共通テストは設問も全て英語になる予定で、近年、同様の出題は増えています。ただ、英語だからといってややこしい設問になるわけではないので、それほど心配しなくてもいいでしょう。

 言語習得は長期間に及ぶプロセスです。余裕のある中学生のうちから文法を正しく理解し、良質な英文を丹念に数多く読む。遠回りのようですが、それが長文読解力をつけるための最善の方法だと思います。

 ■音声学習、力入れてほしい J PREP斉藤塾代表・斉藤淳さん

 読解問題の長文化に限らず、全体的に難化傾向にあります。例えば東大のリスニング。1990年代は内容が会話形式でしたが、近年は大学の講義を受けるような「聞く読解問題」といった内容です。早稲田大法学部の英作文も、グラフを読み取り、分析的な表現力やパラグラフ・ライティングの技術が必要です。知識を超えて英語を使いこなす力が問われています。

 多国籍の人材を日本人が束ねる時代になる中、英語でのコミュニケーションは不可欠。企業も国際的に活躍できる人材を求めており、大学が高い英語力を求めるのも当然でしょう。研究教育機関としての競争力を維持するためにも自然な流れです。

 私は都内と山形県で教えていますが、学習機会の格差を感じます。入試準備が校外の学習機関に依存する傾向が強まるのは残念です。先生は部活指導などで忙しく、新たな教授法を学ぶ機会もありません。学校現場と大学入試が課す内容のギャップをどう埋めていくか。問題の根は深いと思います。

 英語力を身につける上で、生徒のみなさんには音声学習に力を入れてほしいです。英語の難しさは、文字と音声が必ずしも一致せず、日本語に比べて発音が複雑な点にあります。この音の違いを学ぶこと。区別して発音できない音は聞き取れません。音を無視して難化した入試問題に挑戦しても、学習効率が悪いだけです。カタカナにひもづけて発音するのはやめましょう。手軽な練習としては、学校の教科書を母音子音の違いに注意しながら徹底して読み上げることから始めましょう。

 ■大学入試センター試験と大学入学共通テストの英語の相違点

・配点が筆記200点・リスニング50点→リーディング・リスニング各100点

・総単語数が増え、設問が全て英語に

・リスニングの一部で1回読みを導入

・発音、アクセント、語句整序などの単独問題をなくし、すべて文章題に

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