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変わる進学

英語「話す力」対策 小中学生も

写真:東京都のスピーキングテストのプレテストの様子。音が漏れないようイヤホンの上にイヤーマフをする=18日、都内 拡大東京都のスピーキングテストのプレテストの様子。音が漏れないようイヤホンの上にイヤーマフをする=18日、都内

 大学入学共通テストでは導入が見送られ、今の中1の大学入試の年の実施をめざすことになった英語の「話す力」を問う試験。東京都では、その中1が高校受験する2021年度から、公立中の3年生全員を対象に、スピーキングテストを導入する準備が進められている。結果は都立高校入試の英語にも活用されるとあって、高校受験を見据えた「スピーキング対策」が小学生まで広がりつつある。

 (丸山ひかり、宮坂麻子)

 ■都立高入試での活用見据え

 東京都は今月から、「中学校英語スピーキングテスト」の実施に向け、プレテストを公立中77校約8千人の中3生に始めた。

 「Hello! How are you?」

 18日の午後。都内の会議室では、ある公立中の3年生全員がテスト開始前に、イヤホンマイクをつけて、タブレット端末がきちんと作動するかどうか、声を録音して試していた。

 来年度も全中3生約8万人に再度プレテストを行い、本番の21年度は、都内の公立中3生全員を対象に、11月末から12月半ばの土日祝日のどこかの1日で、公立中以外の施設で実施する。都内公立中以外の都立高志望者にも公開し、結果は22年春入学の都立高校入試から活用する方針だ。公立中の生徒は無料で、それ以外の生徒については検討中だという。

 ベネッセコーポレーションと都教委が共同で開発実施。試験監督や採点作業は、ベネッセが担当。都教委は「研修を受けテストに合格した常勤スタッフだけが採点することになっていて、心配はない」としている。

 狙いについて、都教委の清野正・国際教育推進担当課長は「中学では読み書きに比べて話すことが後回しにされる状況も指摘されてきた。国際化が進む中、英語でコミュニケーションできる力は重要。入試にも位置付けるので、しっかりと学んでほしい」と話す。

 スピーキングテストの導入を検討する福井県や長野県などからも、問い合わせが来ているという。

 ■塾がオンライン活用

 進学塾でも、高校受験やその先を見据えたスピーキングの授業が広がる。

 「Look at the boy wearing a funny hat.」「Look at that barking dog.」……。

 早稲田アカデミー池袋校(東京都豊島区)で、小6生らが、タブレット端末の画面に映るフィリピンの講師に話しかけている。「〜している○○を見なさい」という表現の学習だ。

 この「オンライン英語教育」を受けるのは、中学受験をしない小5、小6のクラス。大半が公立小から公立中へ進み、高校入試で、都立進学校や、国立、私立の有名校を狙う子たちだ。学校以外で英会話の経験がない子も多い。

 今年9月から試行的に一部教室で始め、来年度からは小5〜中1までの通常授業内に25分間行う予定だ。内容は外部業者と共同し、同塾の教材と授業進度に合わせてオリジナルで開発した。通常授業で学習した内容を翌週にオンラインで復習する。各自が端末に向かい外国人講師と、学習した構文を使った文章の音読や置き換えの繰り返し▽単語や過去形などの学習▽絵などを見て説明▽フリートーク、とやりとりしていく。

 同塾高校受験部の酒井和寿部長は「進学塾なので、第1目標は志望校合格。都立スピーキングテスト対策もあるが、他校の入試、その先の高校の英語、大学入試、将来まで見据えても『話す力』は入試や人生に直結する」。これまでも最上位クラスなどには、英検2級以上を取得した生徒も少なくなかったが、多くは高校に入学しても話せないという。

 「読み書きは苦手でも、話す聞くなら得意で頭に入っていく生徒もいる。時代の流れもあり、子どもたちのために進学塾としての新しい英語教育に挑戦する。恥じらいのない小学生から始めるのが鍵。中2以降の受験勉強にも生かせる」と意気込む。

 サピックス中学部も「ベストティーチャー」と協力し、書く・話すを強化するオンラインレッスンを来年4月から始める。対象は中3のみ。各家庭でパソコンやタブレット端末などを使い、事前学習として出される課題文を読み、英作文をして送信。複数回添削した後、完成した文章を元に月1回予約制で25分間、スピーキングでやりとりする。

 同社広報企画部の多田真一次長は「トップ校は英作文もかなり高度。文法学習をひと通り終えた中3で話す力と書く力を同時につけたい。大学入試では見送りになっても、世の中がスピーキング力を求める流れは変わらない」とみる。

 ■(POINT!)特定の生徒 有利にならぬよう

 中学卒業前に生徒全員に「スピーキングテスト」を行う意義について、東京都教育委員会の瀧沢佳宏・指導推進担当部長に聞いた。

     ◇

 学習指導要領自体が英語の4技能をバランス良く身につけるものになったこともあるが、それ以前から東京都では小中高校を通じて、4技能をつける授業を推進してきている。読み書きは苦手でもスピーキングは得意な生徒もいる。進路に関係なく、どの生徒も英語嫌いにならず英語に自信を持てるよう、勉強したことをきちんと評価する必要がある。結果は高校入学後の授業でも生かしたい。

 英会話スクールや塾などで「話す力」を伸ばす努力をした特別な生徒だけが有利になるようなテストにはしない。今年度中に全公立中に「話す力」を伸ばすための教材も配布し、中学の授業改善も求める。テスト問題も採点基準も公表するので、見てほしい。

 日程、採点、セキュリティーなどの課題は、国の大学入試の議論も見ながら丁寧に検討している。他県も次世代にどう英語力をつけ、評価するか、同じ課題を抱えており、このテストを利用してもらって構わない。共に学校の英語教育を変える大きなムーブメントにできたらいい。

 (聞き手・宮坂麻子)

 

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