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変わる進学

私立小、付属・進学校も人気

写真:東京農業大稲花小であった入試当日の様子。親子が手をつないで入っていった=世田谷区 拡大東京農業大稲花小であった入試当日の様子。親子が手をつないで入っていった=世田谷区

 首都圏での私立小学校受験が、ほぼ終わった。リーマン・ショックや東日本大震災を受けて一時は落ち込んだが、近年は人気が戻り、志願者数が増えた学校も少なくない。大学入試改革への不安から、付属校や進学校に魅力を感じる保護者も多いようだ。

(横川結香)

 ◆大学入試改革への不安背景

 1日に始まった都内の私立小学校の入試。昨年、23区内で約60年ぶりに新設された東京農業大稲花小学校(世田谷区)では受験する親子が列をなした。

 今年の志願者数は前期・後期で計927人。昨年より63人増え、人気が続いている。夏秋(なつあき)啓子校長(65)は「大学の設備や人材を活用した体験重視のカリキュラムと『冒険心の育成』という本校の理念がより多くの方に伝わった」と話す。

 同校の受験に訪れた母親(46)は「東農大への進学はあくまで選択肢の一つ。いずれは外部に出すことを考えている」と話す。東農大は農学分野の学部に特化しており、進路が絞られるためだ。付属校の東農大第一高も他大への進学者が多く、国公立大や医学部医学科の合格者も増えている。

 英語民間試験をめぐる混乱や入学定員の厳格化など、先行きが見えない大学入試への不安もあり、大学の系列や付属校には注目が集まっている。

 立教大への進学者が多い立教女学院小(杉並区)は志願者数を伸ばし、15年度の362人から今年は576人に。担当者は「説明会の来校者が年々増えており、年中、年少のお子さんと保護者も訪れている」と関心の高まりを感じている。青山学院初等部(渋谷区)はここ数年400〜500人弱で推移する。都内の私立付属小に長男を受験させた母親(39)は大学付属校を軸に学校選びをした。大学受験に注力するのではなく、「中学、高校の楽しい時期を勉強だけでなく、様々な活動に充ててほしい」と理由を話した。

 中学受験も視野に入れた指導で人気を伸ばす学校もある。

 洗足学園小(川崎市)はこの春、筑波大付属駒場に4人、開成に5人、桜蔭に4人と難関中学に合格者を多く出した。志願者も増加傾向で、今年はここ10年間で最高の593人となった。吉田英也校長(64)は「中学受験を経験した保護者が多いなか、本校の進学実績が広報活動によって広く伝わったと考えている」と話す。

 例年、卒業生の半数が外部の中学へ進学する東京都市大付属小(世田谷区)も志願者数を伸ばしている。寺門清貴教頭(65)は「外部進学者と内部進学者いずれもの実績、ガーナ大使館との交流などの国際理解教育に力を入れた点が評価につながった」とみる。

 ■首都圏、併願も増加

 埼玉、千葉の私立小学校も人気の高まりがうかがえる。今年4月、校名に「青山学院大系属」と冠した浦和ルーテル学院小(さいたま市)。同大の系属校となり、一定の基準を満たせば同大に進学できる枠がある点で人気が高まっている。福島宏政校長(64)は「同大との系属校協定に大きな意味を見いだしている」と話す。

 小中高の一貫教育がされている開智小(同市)は昨年度入試で、定員120人に対し260人の志願者が集まった。今年はまだ入試が続いているが、同程度の志願者を見越している。小泉豊副校長は「近年は埼玉県内で小学校受験を希望する保護者が増えていると感じている」。

 昭和学院小(千葉県市川市)も年々増え、今年度は推薦・一般合わせて224人が志願した。

 首都圏全体で小学校受験が広がる中、「中学受験化」しているとの見方もある。幼児教室「わかぎり21池袋本部校」の新中義一・幼児部代表(55)によると、最近は複数の私立小を併願し、3〜4校は受験する家庭が増えたという。「前年の志願者数を分析して出願する方も少なくなく、まるで中学受験のようになってきた。埼玉や千葉は都内より入試日が早く、『押さえ』の併願校として志願者数を伸ばしている学校もある」と分析する。

 ■(POINT!)「競争に勝つ」の視点だけでは

小学校受験はどう変わっているのか。幼児教室などを運営する「伸芽会」の飯田道郎・教育研究所長に聞いた。

     ◇

 「小学校受験」といえば、かつては一部の裕福な家庭のものと言われていましたが、昨今はごく普通の共働き家庭のお子様たちも受験するようになっています。

 一因は、意識の高いワーキングマザーの増加です。歴史ある名門女子校に小学校から通っていた卒業生でも、最近は専業主婦ではなく、総合職で働く方が増えてきた。学校側もかつてのように「行事はご両親で」ということではなく、父親、祖父母でも構わないとして、アフタースクールも充実させています。費用面でも、親世代のきょうだいの数が減り、祖父母にとっての孫の数が減ったことで、祖父母が小学校の授業料などをフォローしてくれる家庭も少なくない。

 さらに追い風なのが大学入試改革です。大学入試で苦労しないためにと高校、中学の付属校人気が小学校まで下りてきています。さらに、女子の中学入試の競争激化で、大学進学実績の高い中高の進学校に続く小学校、例えば洗足学園や開智、さとえ学園(さいたま市)などの人気も高まっています。

 ただ、本来、私立小学校は、子どもの感性が豊かな時期に、各校の理念にそった教育を受けられることに魅力がある。「受験競争に勝つ」視点で受けるのは、おすすめできません。

 (聞き手・宮坂麻子)

 

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