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変わる進学

埼玉の中学入試 高まる倍率

写真:臨時バスに乗って、続々と試験会場に集まってきた受験生ら=さいたま市の大宮開成中 拡大臨時バスに乗って、続々と試験会場に集まってきた受験生ら=さいたま市の大宮開成中

 埼玉県の中学入試が10日、始まった。東京や神奈川より3週間以上早く受験シーズンを迎えるため、「本命校前の腕試し」として受験する児童も多い。だが、ここ数年は埼玉の学校を第一志望とする受験生も増えており、倍率も上がっている。大学進学実績や、きめ細かな生徒へのサポート態勢が、人気のようだ。

 (石川瀬里)

◆小規模校 細やかな指導に力

 1月10日、大宮開成(さいたま市)で「第一回入試」があった。昨年の約1・8倍にあたる1672人が出願した。

 同校は最寄りの大宮駅から臨時の直通バスを手配するなど対応にあたったが、集合時間の午前8時半を過ぎてもバスに乗りきれず、駆け足で校門をくぐる受験生もいた。教員たちが「焦らなくて大丈夫ですよ」と声をかけていた。約270人が午前8時50分の試験開始時間に間に合わず、時間をずらして別教室で受験した。

 同校ではこれまで、1月と2月で計4回の入試を行ってきた。だが、志願者数が年々増加したことから、今年の入試からは2月入試を廃止。定員は他の3回に割り振った。

 県内には、栄東(同)や開智(同)など難関大への高い進学実績を誇る学校もあるが、大宮開成の志願者数の増加の理由について、中高一貫部の松崎慶喜教頭は「本校は偏差値で見ても受験しやすく、中学受験熱も高まっているからでは」とみる。東京や神奈川の本命校を見据えて、「腕試し」として受験する児童も少なくないが、出願時のアンケートで「第一志望」と答える児童も増えているという。

 きめ細かなサポートを掲げている中学部では、午後9時以降のスマホ使用禁止や、起床・就寝時間や自宅学習の内容などを記入する「生活記録ノート」を使い、担任教諭や保護者と生徒の状況を共有する。高等部の進学実績では、特にGMARCH(学習院大、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)以上の私立合格率が高まっている。

 松崎教頭は「1学年120人という小規模校ならではの取り組みが生徒や保護者の満足度につながったのではないか」と話した。

 10日に入試があった青山学院大学の系属校である浦和ルーテル学院(さいたま市)も、前年の2倍近い262人が出願。同校は2019年4月から同大学の系属校になり、一定の基準を満たせば同大学へ進学することができる。

 大学の付属・系属校への人気は高まっている。大学入試改革の先行きが不透明な今、「大学への進学を確実にしたい」という保護者らの思いが、人気の背景にあるようだ。

 受験出版社「声の教育社」によると、1月10日にあった埼玉県内の私立中入試の出願者数は、前年より約2千人ほど増えたという。安田教育研究所の安田理代表は「都内からの受験者が増えているのではないか」と分析する。受験者数が多いことで有名な栄東中も、10日のA日程の出願者は、6200人と昨年を上回った。

 ■女子校も人気、大学別対策も

 女子校も人気だ。

 出願者数が増加傾向にあった淑徳与野(さいたま市)は、今年の入試から定員を15人増やして120人に。13日の「第一回入試」は、前年より約200人多い1756人が出願した。

 女子校では中高一貫化が進み、原則として高校から入学することができない学校も増えている。

 そんななか、同校では高等部の入試を維持している。「高等部から新たに入る生徒がいることで、お互いにとっていい刺激になる」と黒田貴副校長は話す。

 「塾や予備校に行かずに大学に合格」することを目指し、小テストや定期テストで成績が振るわなかった生徒向けのサポート授業や、大学別の入試傾向を分析した150以上の対策講座を掲げる。GMARCH以上の大学合格実績も伸びており、出願時には、アンケート形式で第一志望の学校を聞いているが、同校を「第一」とする受験生も増えているという。

 浦和明の星女子(同)も、14日の入試には前年より約50人多い2098人が出願した。中学受験熱の高まりや、探究や英語4技能など新たな学習内容について、公立校に不安を感じる保護者も多く、出願者が増えているという。

 ■(POINT!)学校選び、面倒見の良さも重視

 埼玉県内の中学入試の人気について、早稲田アカデミーの千葉崇博・教務本部長兼中学受験部長に聞いた。

     ◇

 かつては「東京や神奈川の本命校受験前の腕試し」としての人気も高かった埼玉県内の中学入試だが、ここ数年は県内の中学を第一志望としている受験生も増えていると感じる。県内でも中学入試の人気は高まっており、東京や神奈川から通うことを前提として受験する児童も多い。大学進学実績のある難関校や人気校で高校入試の取りやめが相次いでいることからも、今後も受験生は増えるだろう。

 東日本大震災後は「近くの学校に通わせたい」という保護者も多かったが、今はほとんど影響がない。交通網の発達も一つの要因だろう。合格校に合わせて引っ越しする家族もいる。

 学校を選ぶ際に「偏差値」や「大学合格実績」にはもちろん注目するが、小規模校ならではのきめ細かな指導に満足感を得る保護者も多い。

 どのタイミングで生徒の能力が伸びるのかは未知数だ。生徒の状況に合わせて面談や補講を行うなど、「面倒見の良さ」も大きなポイントになってきているようだ。

 (聞き手・石川瀬里)

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