メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

12月11日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

とりどり

米子城を研究する米子高専・金沢雄記助教

写真:小天守の模型を手に「米子城は地域の遺産」と話す金沢さん。手前は復元CG=米子市彦名町 拡大小天守の模型を手に「米子城は地域の遺産」と話す金沢さん。手前は復元CG=米子市彦名町

写真: 拡大

◆「夢の城」小天守 CGに模型に

 標高約90メートルの湊山(米子市)にある国史跡・米子城跡。中海を望む山頂に、1591(天正19)年ごろ、吉川広家が「小天守」(3重4階)の築城を始め、関ケ原の戦い後の1602(慶長7)年ごろ、中村一忠による「大天守」(4重5階)の増築が完成したとされている。

 城に興味を持ったのは小学生の頃だった。父親の実家が松江城(松江市)の近くにあり、行きたい場所を聞かれると「お城」と答えていたという。城に関する本を読みあさり、それで知った大学教授の下で城を極めようと思い、広島大へ。大学院に進み、書いた修士論文は「米子城の小天守の復元」。城の図面「指図」は軍事秘密のため残ることはないが、幕末の小天守の石垣修理時に書かれた詳細な指図が、鳥取県立博物館に残っていたという。

 複数の天守が存在している城はほかにもあるが、異なる建築年代の天守が建っていた城は全国でも珍しいという。大天守については、過去に発表された復元案に恩師が修正を試みたことがある。復元に師弟で関わったことで米子城は「夢のような城」と話す。

 米子高専に着任後の本格的な研究・調査から石垣の組み方などにも大きな違いがあることが判明。模型が作れるほどの小天守の指図も参考にして、コンピューターグラフィックスで外観を復元した。「城は地域の遺産で資産。建物という切り口で城の全体像や城下町を明らかにしたい」と意欲は尽きない。

◆推測し立体化、建築の道へ

 ――なぜ城に興味を

 車や電車に興味を示すのと同じ。小学4年ごろ、小遣い3年分を前借りし、城の辞典10冊を買ってもらったことは思い出深い。米子城の指図も知っていた。城の写真から推測して図面を引き、模型も作った。それは犬山城が最初。立体化することで建物に興味を持ち、建築の道を選んだ。

 ――なぜ二つの天守があるのか

 小天守は「小さな櫓(やぐら)」という認識で利用したのだろう。両天守は大阪城に似ている。大天守を造ったころは江戸城がなく、大阪城をモデルにしたのではないか。

 ――天守の復元は

 指図が残る米子城はできるが、天守以外が不明な中で復元しても……。歴史的背景も含めた研究の中で市民にほしいという流れが出たときに考えたらどうだろうか。一方で市民に伝える手段として、VR(仮想現実)や3Dプリンターで立体化したい思いはあるが、忙しくて手をつけていない。

 ――米子城も明治時代の廃城・解体で城の木材は風呂の薪になったのか

 空襲や大規模な都市開発がなく、4軒に1軒の割合で城下町の風情が残り、城の梁(はり)などを再利用していた町家も判明している。廃城にすると民家や寺社などに払い下げて再利用するのが一般的だ。

【取材後記】

 物事を極めたい性格という。研究室には、犬山城などの城の模型、Tシャツなどの広島カープグッズ、愛車と同じミニカー、自作の陶器などが置かれていた。圧巻は小学生のころから読み、大事にしてきたという城に関する書物。書棚にびっしりと並べられていた。城愛好家らの専門誌への執筆や監修、講演会もこの3年間で80カ所でしてきたという。多忙でも常に笑顔を絶やさない姿から信念が感じ取れた。(杉山匡史)

 ○ ○

 かなざわ・ゆうき

 1979年、広島市生まれ。2003年から広島大大学院で米子城を研究、06年から長野県飯田市教委歴史研究所研究員として古民家を調査しながら12年に東大大学院で工学博士を取得。公募に応じ、13年から米子高専助教(日本建築史)。プロ野球広島カープのファンでドライブの相棒もマツダ車。10年ほど前から陶芸と茶道を始め、茶器などは手作り。専門誌「週刊日本の城」(デアゴスティーニ)に執筆中。

PR情報

ここから広告です

朝日新聞 鳥取総局 公式ツイッター

注目コンテンツ

  • 写真

    【&BAZAAR】飯テロなら任せろ!

    インスタ映えする料理写真

  • 写真

    【&TRAVEL】船上お笑いライブを満喫

    クルーズへの招待状

  • 写真

    【&M】バレエ少女を演じる井本彩花

    国民的美少女コンテストで栄冠

  • 写真

    【&w】カンヌに捧げたコレクション

    アクリス〈PR〉

  • 写真

    ブック・アサヒ・コム養老孟司が書いた「遺言。」

    口述ではなく書き下ろし

  • 写真

    WEBRONZAがん検診かくあるべし

    急増の大腸がん効果的な検診を

  • 写真

    アエラスタイルマガジン仕事力を上げる姿勢とは?

    骨盤と首の関係を理解する

  • 写真

    T JAPAN新・竹本織太夫インタビュー

    襲名公演への意気込みを語る

  • 写真

    ハフポスト日本版 2017年に亡くなった方々

    安らかに。

  • 働き方・就活

  • 転職情報 朝日求人ウェブ