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本の学校から

問う 沖縄との境界線

写真:「はじめての沖縄」(新曜社) 拡大「はじめての沖縄」(新曜社)

写真:「本屋になりたい この島の本を売る」(ちくまプリマー新書) 拡大「本屋になりたい この島の本を売る」(ちくまプリマー新書)

写真: 拡大

 暑いのが苦手なので、沖縄に行きたい!とはあまり思わない。音楽は多少聴いている。歴史や今の政治状況については、本やニュースで少し知っている程度。そんな自分が、少し後ろめたい気持ちを抱えながら岸政彦さんの「はじめての沖縄」(新曜社)を読んだ。

 沖縄の今をわかりやすく解説した本、ではない。序章で語られるように、社会学者として一人ひとりからその人生を聞き取るという方法で調査してきた著者が、「個人的な体験から個人的に考えたことを書いた」「めんどくさい」本だ。

 ウチナンチュとナイチャー。沖縄と、それ以外の都道府県の人。普段は意識せず、沖縄の人も本土の人もごく日常的に飛び越えている。だがそこには言葉のとおり、常に明確な境界線がある。そこで立ち止まって、少しまたいで、思い切って飛び込んで。関わり方によって、境界線の太さや長さは人それぞれなんだと思う。

 ナイチャーである自分が沖縄について書くことの意味を常に問い続ける。そのめんどくささを引き受けた岸さんの、ちょっと遠回りした感じの文章は、簡単にはわかった気にさせてはくれない。でも、ここで語られる一人ひとりのエピソードが、僕の乏しい知識に輪郭を与えてくれる。

 この本で岸さんが使う「私たち」という主語。「たち」に読者である僕自身が含まれていることを頭に入れて、行きつ戻りつ何度も読み返した。

 「本屋になりたい この島の本を売る」(ちくまプリマー新書)を書いた宇田智子さんは、「気づいたら境界線を飛び越えていた」人だ。全国チェーンの書店に就職し、7年目に沖縄の支店に異動。9年目に退職し、沖縄で古本屋を営んでいる。しかも自分が始めたのではなく、近所の古本屋が店を辞めるので引き継ぐ人を探していると聞いて、条件も聞かずに自分がやると宣言したという。

 お店を始めてからの古本屋としての日々、沖縄の出版事情、地元の人たちとのかかわりもひっくるめて波瀾(はらん)万丈のはずなのに、なんだか楽しくのんびりやっているように見える。それを「沖縄っぽいな」と、やっぱりまだ思ってしまうけれど。

 お店の名前は「市場の古本屋ウララ」。約3畳のお店には、一体どんな本が並んでいるのだろう。沖縄に行きたい理由が一つできた。(今井書店・高木善祥さん)

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