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02月16日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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朝をひらく 【地域交流センター理事 明石 あおいさん】

映画のロケ地に

節度ある お祭り気分

 先月9日に全国公開された映画「人生の約束」は、射水市新湊地区が舞台。年に1度の曳山(ひき・やま)まつりを題材に、偏愛中の内川周辺がまるまるロケ地になっている。

 大好きな場所を大スクリーンで拝めるだけで胸がいっぱいな上に、超豪華キャストがなじみのある場所やひとと一緒に出てくるのだからそのたびに大興奮だ。初めて観(み)たときは客観的に鑑賞することができず、2度目にようやく少しだけ冷静に味わえた。心を落ち着けて観ると、ここにしかないお話の奥に、歴史や人のつながりの大切さ・素晴らしさといった大きなテーマがあることに気づかされ、じわじわと感動の波が押し寄せてくる。しかし、まだまだ邪念の多い私。冷静に鑑賞できるようになるにはあと3回は観ないとな、と思う。

 内川好き歴6年、よそ者の私でさえこんな調子なのだから、ネイティブ新湊住民のみなさんの高揚感は推して知るべしだ。内川で人に会えば、お天気の話よりも先に映画の話になる。ロケ地マップ片手に歩く人などに、「ようこそ」と声をかける人も増えた。それも老若男女。お店でも道でも、とにかく何か一言付け加えて話してくれる人が増えたし、話しかけていいオーラが出ている人も増えたと感じる。最近の大雪の直後は「来た方が歩きにくいから」と、川沿いの遊歩道を率先して雪かきしている方にも出会った。

 なんだろう、この感じ。私自身が意識過剰になっているのもあるだろうが、まち全体の高揚感と緊張感が高まっているように感じる。ひとりひとりが少しずつ人の目を意識するようになっているというか。無理しているわけではなさそうだし、押しつけがましいわけでもない。「節度あるお祭り気分」が漂っているとでも言おうか。新湊は、県内では比較的フランクな地域だとは思うけれど、西日本や九州の雰囲気に比べたら、ぐっと落ち着いていると感じる。そんな雰囲気がたまらなくいいなと思う。

 富山県に来たことすらない友人知人が、映画を観て「秋のお祭りを一度はこの目で見たい」と感動さめやらぬ声で連絡をくれる。そのたびに、誇らしくてうれしい気持ちでいっぱいになる。でも、ハレの日だけでなくケの日も味わってほしい。千年よりもっと前から流れているいつもの内川の雰囲気を感じてほしい。そして、地元の方とのふれあいを通じて、ケの中にほんの少しだけお祭り気分が潜んでいるのも、感じてほしいなと思う。

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