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04月29日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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朝をひらく 【地域交流センター理事 明石 あおいさん】

曳山祭りの「魂」

町民らの思いを注入

 1月公開の映画「人生の約束」の題材として、内川とともに大フィーチャーされた新湊の曳山(ひき・やま)祭り。今年で367年目を迎える、地域の大切なお祭りを指折り数えて待っている今日このごろ。

 6年前、初めてこの祭りを見た第一印象は、「だんじりみたい」だった。「イヤサー、イヤサー」という掛け声とともに、狭い路地のような道に面した家屋すれすれに「ゴゴゴーッ」と音を立てて曲がる曳山。昼の花山は厳かかつ華やかに、夜の提灯山(ちょう・ちん・やま)は曳き子や囃子(はやし)の勢いと熱気も高まって、まさに湊町の男たちの勇壮華麗な祭りといった雰囲気になる。

 最近、曳山を持つ町の世話役の方々に話をうかがう機会を得て、祭り当日以上に、普段の維持・保存のご苦労のあることを知った。

 新湊の曳山は、13本ある。人口が増え、町建てされ、町の勢いがつくと作られてきた曳山。江戸時代初頭から明治時代直前までの212年の間に、1本また1本と増えてきたその歴史は、そのまま内川周辺の町の隆盛の歴史でもある。

 そのほとんどは力と金を持つ特別な誰かが作らせたものではなく、町民たちがお金を出し合い、積み立てて作られたものだ。

 さらに時代時代のアレンジを盛り込みながら、改善・改修・改造を重ねて今に至る。手を触れずにそうっと眺めて楽しむのもいいけれど、使ってなんぼ、受けてなんぼの町民魂が詰まっているのが、なんだか新湊らしくて好きだ。

 驚いたのは、保存・維持のために町民たちが広く深く関与しているということ。町内会費以外に特別会計を組んで維持費に充て、さらに別建てでお金を積み立て、山蔵まで作っている町も少なくない。

 花山の花傘づくりから、曳山を解体して部品をきれいに拭く作業なども町民総出だ。伝統工芸が施された部分は専門の業者や職人の手を借りるが、それ以外の部分は時間と手間とお金をかけてみんなで地道に守っている。

 町民たちの思いはそうやって曳山に注入されていく。「今年も曳山が出せる」よう、1年を通じて何かしているといっても過言ではないのだ。

 曳山を曳くことを地元では“つながる”というが、曳き子はもちろん、老若男女すべての町民の思いが、曳山につながっている。勇壮華麗な祭りを支えるのは、この1年、無事過ごせたことへの静かな感謝と祈り。一見、荒々しい湊町の人々は、実は、奥ゆかしくて謙虚な人々なのだ!と思い知った。

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