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07月24日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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愛しき鳥居 神様たち

 射水市新湊地区に引っ越して半年あまりが過ぎた。秋祭りも終わり、うちの町内・奈呉町は静かに年の瀬を迎えようとしている。そんな中、私の心のよりどころとなりつつあるのが、ご近所の気比住吉社だ。いつの間にか朝のお参りが日課になった。今までは、神社には年1回行けば上等!という生活だったのに。

 北陸道の総鎮守で日本海の海上交通の神様である気比神と、海と航海の神様である住吉神が一緒にまつられているこの神社。さすが漁師町の神社だ。どうやら鎌倉時代には既にあったそうで、海岸浸食の関係で今の場所に移動してきたそうだ。

 小さな境内ながら、大好きなものはたくさんある。特に好きなのは最近補修された木製の鳥居。一度に直すとお金がかかることから、少しずつ補修されてきたもので、素材は一緒でも直した時代が違えば色が違うので、パッチワークキルトみたいにカラフルな鳥居になっている。海風から木製の柱を守るため、銅板で覆うのだが、修復時代によって、緑青が吹いたもの、赤黒いさび色のもの、最近新調されたピッカピカの10円玉みたいなものと、同じ素材でも3世代の色を楽しめる。悪く言えばつぎはぎ。でも、いろんな時代が一度に語りかけてくるようで、くぐるたびに愛(いと)しさがぶわっとこみ上げる。

 寄せ木づくりの狛犬(こま・いぬ)さんも可愛くてたまらない。地元の名工・矢野啓通さんが弱冠18歳のときに彫ったものだそうで、170年も前のものなのに、現代のゲームキャラクターだと言っても通用してしまうんじゃないかと思うほど、愛嬌(あい・きょう)あるお顔と丸々とした姿をしている。思わず話しかけてしまったりする。

 境内のご神木の松は2本あって、そこにも神様がおられるといわれており、春と秋にそれぞれ祭礼がある。さらに、稲荷社と、疫病や子どもの病を防ぐための「来名戸社(く・な・と・しゃ)」まである。まさに“神様密集地”。ゆえにほぼ毎月、厳かな祭礼が開催されている。

 最初の頃はいろんなお願いごとをしていたが、最近はしなくなった。毎日お参りしていると、“これからもらう”ものより“今もらっている”ものに感謝を表したくなってくるから不思議だ。

 愛しき鳥居をくぐり、お参りして、今日もここで1日が迎えられる喜びと感謝を伝える。見えないものに今日も守られているという安心感と、実は今日も試されているぞという緊張感。そう思うと、おなかの中から力が湧いてくる気がするのだ。

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