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04月22日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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富山では律義に続く

 このゴールデンウィークで、富山にUターンして丸7年が経った。東京から戻ってきたばかりの頃と今を比べて、劇的に変わったのは人づきあいへの姿勢だ。

 まずは、「飲み会」は基本的に特別だということ。昔は、帰り道に同僚や取引先の人たちと飲み歩いてから家路につくのが日常だった。しかし、車通勤者の多い富山では、同じ仕事仲間といえども飲みに行くのは特別なことだ。家族に送り迎えを頼むなども含め、少なくとも数日前から準備が必要だ。行き帰りの足の心配をしたくないから泊まりがけで飲みに行くのも珍しくない。初めてそれを知ったときは、気合の入ったデートでもないのに何日も前から飲む日と場所を決めておくなんて、なんと律義なことか!と驚いた。

 そうして万全に準備された飲み会。コンパクトな富山では、隣り合う別のグループが友人知人や親戚だったりすることも少なくない。壁や障子に100%耳や目がついていることに配慮または覚悟して飲むのは、富山のビジネスパーソンの常識と言ってもいいかもしれない。久しぶりに東京時代の同僚たちと飲んでみると、都会ではいかに周りの人のことを気にせずに会話しているかがよく分かる。

 つぎに、友人知人とチームで仕事に取り組む機会が増えたこと。東京時代は、プライベートと仕事にはきっちり境界があり、それは死守すべきものだと思っていた。しかし、富山に来てからは、プライベートの何げない買い物やお出かけで仕事関係の方に会うことが少なくない。また、何かのイベントや会議で一度知り合って再会するまでの期間が短い。その短期間に様々な共通点や利害関係が生じ、関係がぐっと深まることも少なくない。出会いからお仕事まで、驚異的にムダがないのだ。

 それから、東京時代は、職場や立場が変わって仕事で接点がなくなると、運命的な巡り合わせでもなければ出会うことはほとんどなかった。でも、富山では、仕事が変わったくらいで接点がなくなる人というのがほとんどいない。全く別の場所、別のお仕事で再会することもあるし、生活の延長線上の時間や空間を共にすることもあるからだ。そういう意味で、出会いのすべてに気が抜けないとも言える。

 小さな活動やひとりひとりとの出会いと関係が、少しずつつながり、結果、大きな人脈となる。富山の人づきあいは、おびただしい数の峰々が美しく連なる立山のように、律義でムダなく、限りなく続いていく。

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