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04月21日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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朝をひらく 【地域交流センター理事 明石 あおいさん】

「働きがい」を得る

腕磨き 一生の武器を

 先週、スタッフの結婚式に参列した。彼女は4年前に富山にIターンしてわが社に入ったが、結婚を機に東京に居を移すことになった。ひと昔前なら「寿退社」だったかもしれないが、毎日インターネットのビデオ通話で、東京の自宅と富山の事務所をつないで仕事をしてもらっている。わが社は弱小まちづくりとデザインの会社。スタッフは女性ばかり20〜30代中心なので、結婚、出産、育児、人によっては介護と、めまぐるしくライフステージが変わる年代でもある。

 他にも、未就学児のママが2人、時短勤務や自宅作業で働いている。インターネットのクラウド会議室などを活用し、同じ場所、同じ時間に集まらなくても、情報共有や相談をしながら仕事ができる。「ワーク・ライフ・バランス」というとワークとライフが明確に区分される印象があるが、うちの場合はそれぞれの境界線がもっとあいまいだと思う。

 この少子高齢化時代、ましてや地方の小さな会社では、結婚や出産くらいで、優秀な人材を手放してしまったら、新しい人を探すのはめちゃめちゃ大変だ。それに、職住が近接している地方の女性の方が、毎日の家事や家族との時間も大切にしながら、その時々のライフステージや自分のペースに合わせた「働き方」を実現しやすいのではないだろうか。

 そして、「働き方」も大切だが、「働きがい」はもっと大切だ。どんなライフステージにおいてもやりがいのある仕事を得るためには、若いうちに凝縮して経験を積む「修業」期間が必要だと思う。特にこれからは、限界を設定せず、思い切って慣れないところに飛び込んで、失敗しながら自分を高めていくことが大切になってくるだろう。

 建築家の友人が新人だった頃、「5年で自立できるだけの経験とスキルを身につけなさい」と上司に言われ、必死に修業した。おかげで妊娠・出産・引っ越しを経験しつつも仕事をし続けている。修業期間は“鍛錬の仕方やセンスの磨き方を学ぶ”期間だ。少しくらい休職・転職したくらいでゆるがない、自己研鑽(けん・さん)の方法や自分の強みを伸ばすための体質づくりみたいなものだと思う。

 残業率や子宝率をはじめとした“現在の処遇や環境がよい”ことも大切だが、ひとりひとりがしっかり戦える身体をつくり、“一生ものの武器を手に入れる”ことがもっと大事だ。弱小だけど、できるだけ多くの挑戦をしながら、それぞれの持つ魅力を見つけ、ともに磨きあえる会社でありたいなと思う。

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