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朝をひらく 【地域交流センター理事 明石 あおいさん】

母の小さな葬式

送ること 集中できた

 最近、とても小さなお葬式をした。実家でひとり暮らしをしていた母のものだ。3年前の父のお葬式はできるだけ多くの人に知らせたが、今回はひっそりと「家族葬」をすることにした。家族や親族、親しい友人らに限定して小規模に行う葬儀形態は、最近は都会だけでなく富山でも増えてきているそうだ。

 家や地域のつながりを重んじる地方では、生前に交流のあったできるだけ多くの人に知らせるだけでなく、直接交流がなくても「お世話になった人の親族だから」という理由で参列するケースも少なくないだろう。

 実際、東京に住んでいた時から、私が直接お会いもしたことのない富山の方の葬儀に、「参列できないなら電報や香典を送れ」と親から指示されることが間々あった。

 そういえば、父の葬儀にも、本人が会ったこともないだろう方々から電報が届いていた。あの時は、大切な人が亡くなった悲しみに暮れている家の中に、急に知らない人がどかどかとやってきたみたいな、落ち着かない気分になったのを覚えている。

 もっと父への気持ちに集中したかったのに、参列者へのあいさつのことばかり考えていた気がする。だからこそ、当時喪主を務めた母には、体裁よりも思いを優先すべきだと感じた。

 故人の長所も短所も受け入れ助け合ってきた者が抱くのは、悲しみばかりではない。命をつないでくれた感謝の気持ち、共に過ごした懐かしく幸せな日々の思い出、思ったよりも早い死への無念や非難、残された寂しさや不安、そして「お疲れさま」という安堵(あんど)感……。様々な気持ちが式の間じゅうぐるぐると押し寄せてくる。

 死のあっけなさと寂しさというのは、時が経つほどじわじわと強まる類の気持ちのようだ。3年前の父にも今回の母にも感じているが、これは儀式の中で完結できるものでは毛頭なく、一生かかっても整理できないのだろう。

 もとい、母のお葬式の話。2週間前、ごく近い親族とお寺さんのたった8人で見送った。母の性格や性質をよく知る彼らには、最期まで心配と迷惑ばかりをかけた。「あの時はお世話になりまして……」という前置きなしに、一同でぐるぐると押し寄せる気持ちを味わい、じわじわと寂しさをかみしめながら、ただただ送ることに集中できた数日間だったと思う。

 初七日法要後のお斎(とき、法要後の飲食)の席で、母の兄が「俺のときもこういう式がいいな」とつぶやいていた。その時、ああこれが母の意思だったのだと確信した。

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