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北陸六味【エコロの森代表 森田由樹子さん】

五箇山の昔へ 時間旅行

写真:五箇山豆腐の生産者(右端)から話を聞くツアーの参加者=2018年9月、富山県南砺市下梨 拡大五箇山豆腐の生産者(右端)から話を聞くツアーの参加者=2018年9月、富山県南砺市下梨

 富山県の観光地として有名な場所の一つが、南砺市の五箇山地域だ。相倉と菅沼の合掌造り集落は、岐阜県の白川郷とともに1995年に世界遺産に登録された。昔と変わらぬ姿をとどめる合掌家屋が、険しい山々と一体となって織りなす光景は日本の原風景への郷愁を感じさせ、最近は外国人観光客からも人気を集めている。

 昨年、その五箇山地域の魅力を伝えるツアーを地元住民らでつくる「五箇山元気な里山協議会」が企画し、私もそのお手伝いをした。合掌造り集落だけではなく、民謡や民芸品などの豊かな伝統文化やウィンタースポーツも盛んな五箇山の人々の暮らしが伝わるようなプランを考えた。

 ツアーの一つに「五箇山 下梨大都会&味ものがたり」がある。

 下梨地区は、国道156号と304号が交わる五箇山の中心に位置し、かつては村役場もあった。事前の取材で地区長さんの思い出話を聞いたり、写真店で古い写真を見せてもらったりするうちに、下梨はその昔、周辺の地区の人から「大都会」と呼ばれていたことが分かった。

 今も五箇山豆腐の店や地元の名産品のとちもちなどを売る菓子店、スーパーや飲食店などがあって地元の人に利用されているが、さらに多くの店舗が並び、はるかに活気に満ちていたというのだ。

 「大都会&味ものがたり」ツアーの目的は、五箇山豆腐やこんにゃく、とちもち、和菓子、そばなど地元で昔から愛されているグルメを食べ歩きながら、それぞれの店主から五箇山の昔話や魅力などを聞かせてもらうというもの。

 今の下梨のたたずまいから「大都会」と呼ばれた往時を想像するのは難しいが、観光客でにぎわっている相倉から少し足を延ばして、静かな街を歩きながら林業や養蚕などで栄えた昔の五箇山に思いをはせるのもいい旅の思い出になるかもしれない。

 「里山協議会」では、越中和紙の一つである「五箇山和紙」の生産現場を体験するツアーも企画している。五箇山和紙の生産者のうち、東中江地区の東中江和紙加工生産組合は和紙を作る工程でなるべく薬品を使わない「悠久紙(ゆう・きゅう・し)」と呼ぶ和紙を作っている。

 地域では冬になると、地元の畑で生産した原料のコウゾを雪の上に並べて「雪さらし」で漂白する光景が見られる。自然を生かした伝統の技で作られる和紙は、国の重要文化財の古文書などの修復にも使われているという。ツアーでは、組合代表の宮本友信さんに和紙作りの歴史を聞き、和紙ではがきなどのクラフトを作る作業をして、和紙の魅力に触れてもらう。

 「里山協議会」は、五箇山での暮らしに憧れて東京から家族で移住してきた女性や、地域おこし協力隊員らが中心になって活動している。みなさん、世界遺産だけではない五箇山の暮らしを知ってもらおうと、地元の人と一緒になって地域おこしに取り組んでいる。 (エコロの森代表)

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