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連載: ときめく★楽音生活【ときめく★楽音生活】

織りなす情熱と哀愁

写真:LAST TANGO「La Usina 」 拡大LAST TANGO「La Usina 」

●La Usina

 タンゴの巨匠、アストル・ピアソラに魅せられて単身アルゼンチンに渡ったバイオリン奏者の柴田奈穂さん。彼女が率いる5人組ユニット「LAST TANGO」のセカンド・アルバム「La Usina」が届きました。情熱的なリズムと哀愁のメロディー、郷愁と斬新さが入り交じった不思議なアルバム、久方ぶりに聞いたタンゴ、新しい魅力にあふれていました。

 柴田さんは京都生まれ。6歳からバイオリンを始めクラシックを学びます。その後、多様な活動を続けながらもピアソラを聞き衝撃を受けます。その時のことを柴田さんは「タンゴ特有の血、土臭さに魅せられて」と記しています。彼女のバイオリンの音色が持つ大地から聞こえてくるような低域の響きと、なにかシンクロしたのではないかと感じてしまいます。

 2006年、アルゼンチンで録音したソロアルバムを発表した柴田さんは、タンゴの女王・藤沢嵐子さんとも演奏していたギタリストの江森孝之さんらと出会い、10年東京で「LAST TANGO」の初ライブ、13年にはファーストアルバムをリリース、若いタンゴファンを獲得します。そして昨年、メンバー全員がアルゼンチンに渡り、ブエノスアイレスで「La Usina」を録音したのです。録音は、ピアソラも使った由緒あるスタジオで、現地の第一級タンゴ奏者も加わり行われました。昔ながらの一発どりで微妙な掛け合いを生かし、アナログミックスされたサウンドは、タンゴファンならずともしっかり堪能できる仕上がりです。

 1曲目の書き下ろし曲「ブエノスアイレス」は躍動する日本語で歌われ、2曲目のあまりにも有名な「ラ・クンパルシータ」に続きます。新鮮なリズムで演奏される名曲は、このユニットの方向をしっかりと感じさせてくれます。オリジナル4曲とタンゴ佳曲7曲で構成されたアルバムは、ピアソラの「迷子の小鳥たち」のスペイン語歌唱で幕を閉じます。アコーディオンとコントラバスとギター、そこに柴田さんのバイオリンが、大地の営みを奏でます。

 この「LAST TANGO」が、和歌山にやってきます。5月4日午後7時から、和歌山市狐島のLURU HALL(073・457・1022)。入場料は5千円(フリーソフトドリンク付き)、33席限定です。新しいタンゴのリズムを楽しまれてはどうでしょう。

 (LURU MUSIC 狐島 代表・岩橋和廣)

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