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写真:試合を終えた中学生たち。県外も進学先の選択肢とする選手が増えている=和歌山市内 拡大試合を終えた中学生たち。県外も進学先の選択肢とする選手が増えている=和歌山市内

■成長できる環境求めて/トップ層 県外の高校へ流出

 「選手の半分くらいは県外に出ていくね」

 県内のある中学硬式野球チームの関係者は打ち明ける。青森県や埼玉県、大分県など県外の高校に進学する「県外流出」に和歌山の高校野球の指導者が頭を悩ませている。

 なぜ、県外を選ぶのか。ボーイズリーグの日本少年野球連盟県支部の山崎幸二支部長(51)は「近年、和歌山ではどこが優勝するか分からない中で、甲子園に行きたいという思いが一番」と話す。加えて、私学の授業料無償化などの経済的理由や、子どもを自立させたいという保護者の思いも後押しする。山崎さんが会長を務める御坊ボーイズでは昨年の3年生10人のうち6人が県外の私立高校に進学した。

 県内にある硬式のチームはボーイズ、シニア、ヤングの3リーグで24チーム。各リーグの代表によると、このうち県外の学校に進学するのは全体で2〜3割ほど。かつては県内の強豪校に進学することが多かったが、ヤングの谷所憲彦支部長(62)は「最近はトップ層の選手ほど県外に出ていくことが多い」という。

 2004年に有田シニアから、青森山田(青森県)に進学した佐曽友哉さん(28)は「環境も整っていて、寮生活などを通して人間的にも成長できた」と話す。当初は地元の公立高への進学も考えていたが、練習を見学に行ったのをきっかけに青森へ。当時、部員は関西出身者などを中心に約120人。中心選手しかボールを使った練習ができないなどの厳しい競争や、寮での共同生活を経験した。在学中に春夏合わせて4回の甲子園を経験し、3年生の夏は主将も務めた。佐曽さんは「県外に行って良かった」と感じている。

 県内の硬式野球チームの男子中学生(14)は「自分がより成長できる環境を」と県外私学への進学を考えている。練習を見学に行き、打球の速さや迫力ある選手の体格に驚き、さらに、寮などの環境面も整っていることから、「ここでならレベルアップできる」と感じたという。大学まで野球を続けていくことも見据えている。

 流出を減らすにはどうすればいいのか。和歌山東の米原寿秀監督(42)は「公立でもスポーツ推薦を認めてもいいのでは」と指摘する。県内では県立の13高校で剣道や体操、陸上など57競技のスポーツ推薦があるが、硬式野球は含まれていない。

 他府県では硬式野球を含めるケースがある。長崎県では2000年から、希望する各校で「文化・スポーツ特別推薦入学」を実施。長崎県教委によると、自己推薦書や調査書、面接などで判断し、学力検査はしない。県立55校のうち49校が実施し、全部活動を対象にしている高校もある。

 市和歌山の半田真一監督(37)は「チームの雰囲気や進路のことも含め、高校の情報は中学生や保護者の間で共有されている」と話す。OBの話やSNSを通して、「ちゃんと面倒を見てもらえるかどうか」「試合には出られるか」などの話は自然と広まっていく。そうした「評判」が進路選択に影響することも少なくない。

 甲子園という夢を追う中学生たち。選択肢が増える中で、「行きたいと思えるような魅力が必要」と県高野連の松下博紀顧問は言う。「この高校に行けば安心と思える指導者、練習環境などの存在が重要だ」と力を込める。

(金子和史)

 戦前の和歌山中(現桐蔭)、海草中(現向陽)にはじまり、戦後は箕島、智弁和歌山など球史に名を刻んできた野球王国・和歌山。県民の野球熱は依然高いが、昨年、市和歌山が初戦で勝利するまで夏の甲子園では4年連続で初戦敗退するなど陰りを指摘する声もある。夏の大会を前に、和歌山の野球の「今」を追った。

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