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10月23日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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■配球 自負と悔い/箕島・捕手 吉田周平君

 八回裏、箕島の捕手、吉田周平君(3年)は、6番打者を左飛に打ち取り2死二塁とすると、ベンチの尾藤強監督(47)と責任教師の山本喜造さん(35)に目を向けた。2人が視線に気づくまで。うんうんと2人がうなずくと、視線をグラウンドに戻しマスクを被(かぶ)りなおした。

 「2人を見ると何か落ち着くんです」。1点ビハインド。「次の回で逆転するためにも、これ以上失点できない」。もう一度気持ちをリセットするためのルーティンだった。座り直し、ミットを構える。

 マウンド上の中川虎大主将(3年)はのびのある直球が持ち味。「最後は一番いい球で」とサインは外角の直球。内野ゴロに打ち取ると、小さく拳を握ってベンチに戻った。

 捕手を始めたのは新チームから。それでも、この日は先発した中西樹人君(3年)のフォークとチェンジアップを有効に使い、五回までに4者連続三振を含む11奪三振。相手は直球を狙ってくるはずと、読みを外したリードがさえた。六回途中から救援した中川君に対しても、変化球主体でカウントを整え、最後は力のある直球で抑える配球で失点を許さなかった。

 それだけに二回の本塁打には悔いが残った。ツーストライクと追い込んでからの5球目が内側に入り、右翼席に運ばれた。1球ボールにして、最後は変化球で打ち取る狙いだった。「ボール球でいいと、もっとはっきり伝えていれば」

 九回表、逆転へ望みをつないだが、三者凡退。試合後、「自分の配球で試合が動く。そこにやりがいを感じていた」と話した吉田君。要求一つで試合が変わる、高校野球の最後はまさにそんな試合だった。

(金子和史)

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