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高校野球【わかやま高校野球 夏100回への軌跡】

猛打でV 今も輝く記録

写真:智弁和歌山の主将だった堤野健太郎さん=大阪市北区 拡大智弁和歌山の主将だった堤野健太郎さん=大阪市北区

写真:和歌山大会で優勝を決めて喜ぶ智弁和歌山の選手たち=紀三井寺 拡大和歌山大会で優勝を決めて喜ぶ智弁和歌山の選手たち=紀三井寺

(10)智弁和歌山

 2000年夏、第82回の選手権大会は、春の選抜大会準優勝の智弁和歌山が持ち前の打撃力を発揮し、1997年夏に続く2度目の全国制覇を成し遂げた。選手権大会では6試合でチーム打率4割1分3厘と当時の大会記録を更新。チーム安打100本、本塁打11本はいまでも大会記録として輝く。それに先立つ夏の和歌山大会でも、4試合で51安打43得点と猛打で圧倒して決勝に勝ち上がった。2年連続同カードとなった決勝の南部戦は接戦となったが、終盤の連打で突き放した。強打の智弁和歌山が新時代を築いた。

■難病の主将中心に猛練習結実

◇第82回全国高校野球選手権和歌山大会決勝

          (2000年7月30日)

智弁和歌山 200 000 012l5

南    部 200 000 000l2

 第82回選手権大会の東海大浦安(千葉)との決勝。11―6で迎えた九回裏2死。智弁和歌山の主将だった堤野健太郎さん(35)=大阪市西区=は涙でぼやける目で、最後の打者を見つめていた。「あとアウト一つ」。積み上げてきた過去が一気によみがえってきたのを鮮明に覚えているという。「僕の高校野球人生はこの日のためだったと思えた」

 堤野さんは1年生の時に難病の潰瘍(かいよう)性大腸炎との診断を受けた。2年生の夏の大会前には下血。体重が落ち、ドクターストップがかかった。守備練習に参加できず、外野での球拾いをしながら遠くから練習風景を眺めたこともあった。

 それでも、2年生の夏が終わり、高嶋仁監督(71)が新チームの主将に指名したのは堤野さんだった。高嶋監督は「指名の理由は圧倒的なハートの強さ。試合でも選手がエラーするとマウンドの円陣で怒鳴りつけていた。誰よりも強い『勝つ』という思いがチームを引き締めていた」と話す。

 病気の影響で全体練習に参加できない日々が続いた。堤野さんは「部員30人の中で練習できないのは主将の自分一人」と引け目を感じることもあった。「智弁は勝って当たり前」という重圧もあった。しかし、当時4番の池辺啓二さん(35)=千葉県習志野市=は「チームは堤野が中心。存在感は常にあった」と振り返る。

 さらにチームの結束を強めたのは、2000年春の選抜大会だった。決勝の前日、ホテルには100人ほどの報道陣。だが、試合で負けると取材に来る記者は数人だった。「こんなに違うものなのか」。勝負の厳しさをチーム全体が目の当たりにした。「夏こそはなにがなんでも優勝」。これを合言葉に、チームが一気にまとまっていった。

 6月前半ごろからは、智弁和歌山の強さの源になっている追い込み練習が始まった。練習試合前には、100本ダッシュなど徹底的に体を絞る。「きつい練習に比べれば、ヒットを打つなんて簡単でしょ」と高嶋監督。堤野さんは「夏の地方大会の途中で負ければ、地獄の練習がくる。智弁の強さは、誰にもまねできないような練習量とチームのまとまり」と語る。

 こうして迎えた夏の和歌山大会。「1回戦で負けるのと決勝で負けるのは同じ。全ては甲子園優勝」。チームの意識はただそれだけだった。決勝の南部戦は終盤まで両者譲らない展開だったが、最後は打撃力で押し切り、5―2で決めた。

 堤野さんは、医者から「1試合2イニングまで」と言われていたが、甲子園の決勝まで全試合に出場し、悲願の優勝をチームで勝ち取った。「最後に大きなご褒美をもらえた。最高の思い出だった」。智弁和歌山の「全盛期」を担った主将は力強く語った。

(片田貴也)

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