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まちづくり講座・ウラマチぶらり【ウラマチぶらり】

昭和の面影 明光商店街

写真:和歌浦の明光商店街。「ゴトウ本店」は和歌山市内で店舗展開するスーパーマーケットの創業の地=和歌山市 拡大和歌浦の明光商店街。「ゴトウ本店」は和歌山市内で店舗展開するスーパーマーケットの創業の地=和歌山市

■和歌浦(和歌山市)

 和歌浦はかつては和歌山随一の観光地でした。1938(昭和13)年まで続いた紀州航路では、大阪を発した船が和歌山の各地をつなぎ、和歌山県最初の寄港地が和歌浦でした。

 71(昭和46)年まで敷設されていた路面電車は和歌山市中心部から和歌浦まで、多くの住民、観光客を運んでいました。片男波、玉津島神社、塩竈(しおがま)神社、といった美しい景勝と観光資源が備わったところに加わる交通の要衝としての地位。当時の活気はいかなるものだったでしょう。

 往年の活気の痕跡を、じっくりと探したことはありませんでした。心地よく天気の晴れた日曜日、和歌浦を歩いてみました。

 旅の始めは和歌浦口。海岸通りはかつての路面電車の廃線跡です。和歌浦口、権現前、そして終点、新和歌浦。この近くにある和歌浦港のおっとっと広場には家族連れが集まって、子どもたちが稚魚の放流体験を楽しんでいました。玉津島神社近くのおしゃれなイタリア料理店には大勢のお客さん。神社には大型観光バスが止まって多くの参拝客がいます。

 いろんなところがにぎわっています。しかし、人々の行き交いと人生が交錯したかつての活気、その痕跡を感じる風景には出会えませんでした。書くことはないな――。そう思った帰り道。ふと立ち寄ったコンビニの裏手の道が気になりました。何かに導かれるように進んでいくと商店街がありました。

 明光商店街でした。ホーロー看板が似合う昔ながらの商店に、歴史を感じる住宅群。かつてのにぎわいが急激に目に浮かびました。あいにく日曜日で店は休みでしたが、それでも強烈な生活感が感じられました。

 商店主に聞きました。ここは空襲で焼けなかったので、昭和20〜30年代のにぎわいは大変なものだったそうです。しかし、時代の変化とともに客足は少しずつ途絶え、ここ10年で商売をやめる店が急激に増えているそうです。

 確かに、昭和のまま時が止まったようなウラマチです。しかし、このウラマチが和歌浦にリアリティーを生み、人々の人生模様を想像させ、かつての活気とともにこの街の魅力をあぶり出しました。

 和歌浦は昨年、日本遺産に認定されました。歴史を感じる景勝地。それを再整備するのであれば、明光商店街をどう活(い)かすか。ウラマチが支える空気がなければ、景勝地の歴史は語れない。そう感じた旅でした。

(木川剛志・和歌山大観光学部准教授)

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