メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

06月18日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

高校野球【夏へのエール 高校野球100回】

自分で決めて突き進め 上

写真: 拡大

写真:杉浦正則さん 拡大杉浦正則さん

■「ミスターアマ野球」杉浦正則さん

 プロからの誘いを断り、五輪の金メダルを追い求め続けた。「ミスターアマ野球」こと日本生命の杉浦正則さん(50)。五輪のマウンドで勝つ喜びも負ける悔しさも味わった今、球児に伝えたい言葉がある。

 高校最後の夏、和歌山大会3回戦で0―1で敗れた。

 なんか終わったなあって感じでしたね。春の県大会で優勝して、甲子園目指してやってきたなかで悔しさはもっていましたけど。がむしゃらでしたね。全力投球していれば、それがやりきることになると思うんで、負けてもしょうがないなという思いはあります。最後もそういう感じだったと思うんですよ。全員が一生懸命やった結果ですから。甲子園のマウンド? 踏んだことないですよ。高校野球の解説に行ったときに外野の芝、一歩だけ踏んできました。

 社会人ではプロからの誘いを断った。

 やっぱり金メダルが欲しかったんですよね。小さい頃はプロ野球選手になりたい、なれればいいなと。大学の頃もプロに行きたいと思っていました。社会人に行って五輪の選手に選ばれたので、そこがきっかけかな。オリンピックって、一度出たら二度出たくなるところなんですよ。4年間の思いをぶつける集中力とプレッシャーは計り知れない、その中で自分のパフォーマンスができたときの喜びも計り知れないものがあります。

 銅メダルだった1992年のバルセロナ五輪、準決勝の台湾戦で負け投手に。

 チームが目指してた金メダルがなくなって、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。宿舎に戻って、ずっと涙が止まらなくて、部屋から一歩も出られなくて。選手が部屋に来てくれて、「明日の3位決定戦が4年かけて作ってきたチームの集大成だから、勝って終わろうよ」と。そう言ってもらえたんで、次の日、もう一度奮起できました。

 4年後のアトランタ五輪は決勝でキューバに敗れ、銀メダルに終わった。

 キューバを五輪の決勝で倒したいと思ってました。最高の舞台が整ったんですけど、二回途中で降板。あと一歩まで来て。決勝で戦えたという満足感、金メダルを取れなかった悔しさ、両方ありましたね。キューバの選手たちもずっと戦ってきた相手だったんで、ゲームが終わってお互いタッチしてたたえ合うんですけど、僕は全員と抱き合いました。

 プロアマ合同で出た2000年のシドニー五輪は主将として出場、4位に終わった。

 チーム作りは難しかったです。ヒット打ったらガッツポーズやろうよって話になって、それがチームの決め事になった。おとなしそうな日本ハムの田中幸雄さんが一番最初に思いっきりやってくれたんで、そこからですね、チームが活気づいたのは。負けてしまいましたけど、プロの選手が涙を流してくれた、あのシーンだけでも満足してます。一生懸命やらない人間は涙も流れないと思うんです。自分としてはなかなか結果は残せなかったですけど、主将としては満足したかなと思います。

 20年の東京五輪では野球が追加種目に選ばれた。

 復活してくれた喜びはあります。自分は五輪に育ててもらったので、どういうチームが編成されるかわからないですけども、社会人やアマチュアの選手も選ばれる可能性だけは残してほしいなと思います。

 高校野球はまもなく夏の大会が全国で始まる。

 高校3年間でしかやれない野球だと思います。プロ野球に行きたくて上を目指してる人間もいるけど、高校で野球を終える人間もたくさんいる。一緒にやってる以上、終わる人間も後悔しないように、全員で、全力で戦う野球が高校野球だと思います。

 今しか味わえない仲間とのひとときなので、将来があるとかないとか関係ないと思うんです。そこで一生懸命やれない人間は次で一生懸命なんてできない。この期間に一生懸命できるかどうか、できるように努力するのが大事だと思います。

 後悔を持つと、人生は先に進めない。僕も後悔がないように自分で決断してきた。今の人生が一番よかったと思って人生を歩んでいます。自分が決めたことだから、なにがあろうと突き進んだ方がいい。高校生たちにはそう言いたいです。

◎すぎうら・まさのり

 1968年生まれ、和歌山県九度山町出身。橋本高校、同志社大学を経て社会人野球の日本生命で活躍。92年のバルセロナ五輪から3大会連続で代表入りし、五輪通算5勝。シドニー五輪後の2000年に現役を引退し、日本生命のコーチや監督を務めた。現在は同社で法人営業を担当している。

 今夏で第100回を迎える全国高校野球選手権大会を前に、和歌山で生まれ、高校野球に育てられた野球人たちに話を聞いた。夏に向かう球児たちにエールを送る。

(大森浩志郎が担当します)

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

和歌山総局から

読者の方々に役立つ和歌山県内の情報を丹念に取材し、お伝えしていきます。地域の話題をいつでもお寄せ下さい。

メールはこちらから

朝日新聞 和歌山総局 公式ツイッター

注目コンテンツ

  • 写真

    【&w】カカドゥの不思議な野鳥たち

    ノーザンテリトリー〈PR〉

  • 写真

    【&TRAVEL】遊び心満載の豪華客船

    船上でサーフィン?〈PR〉

  • 写真

    【&M】TEPPEI×ハマ・オカモト

    自分に合った服装とは?

  • 写真

    【&w】劇場鑑賞券を3組6名様に

    「&w」読者プレゼント

  • 写真

    好書好日旅するように異国料理を作る

    宮崎あおいさん初の料理本

  • 写真

    WEBRONZAカーシェア急拡大

    今日の編集長おすすめ記事

  • 写真

    アエラスタイルマガジンこれぞ手軽な手土産の大本命

    手土産に縁起のよい「虎家喜」

  • 写真

    T JAPAN未来を変えるコスメ 第2回

    全米で話題の「CBDオイル」

  • 写真

    GLOBE+注目は年齢差だけではない

    マクロン大統領夫人の実像

  • 写真

    sippo絶滅の危機に瀕するトラ

    生態は猫とほぼ同じ

  • 働き方・就活

  • 転職情報 朝日求人ウェブ