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06月26日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

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写真:ベンチに戻る城朋弥君 拡大ベンチに戻る城朋弥君

■先輩と約束した4強/向陽の捕手・城朋弥君

 これ以上点はやれない――。2点をリードされた四回表、向陽の捕手城朋弥君(3年)は、2番手投手青木佑成君(2年)に「思い切り放ってこい」とマウンド上で声をかけた。

 2死二、三塁。今大会9打席連続安打を記録するなど勢いに乗る市和歌山の柑本高宏君(3年)を迎えた。2球目、「ボールかと思った」と城君が振り返る外角低めの直球を中越えに運ばれ、2点適時三塁打に。その後も暴投でこの回一挙3失点。「前主将の白浜(哲史)さんとの約束を果たそうと必死だった」と城君は試合後、そう話した。

 1学年上の白浜さんを追いかけて向陽に入学した城君。昨夏は、エース白浜さんとバッテリーを組んだが、準々決勝で延長十回、サヨナラ負けを喫した。「俺を超えてくれ」。今冬、白浜さんから使っていた茶色の数珠を受け取った。数珠は日常身につけ、新チームの主将としてチームを引っ張ってきた。

 3回戦、準々決勝と終盤に粘りを見せ4強に進出した向陽。「ここで終わりだと思うな。お前ならもっといける」。準決勝の前夜、城君は、白浜さんに電話で激励された。迎えた準決勝。先発松野椋太君(3年)には直球、小林亮太君(3年)は変化球中心のリードを見せ、七回以降は無失点に抑えた。

 昨夏の8強を超えることを目標に、常に笑顔で練習の雰囲気を作ってきた城君。堀内孝貢監督は「ここ10年で一番よい雰囲気のチームを作ってくれた」とたたえた。4強入りして白浜さんとの約束は果たせた。城君は「もっとずっと、甲子園でもみんなと野球をやりたかった」と悔しさを口にしつつ、表情は明るかった。

(片田貴也)

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