朝日新聞デジタル：20枚醸し出す一幅の絵 - 和歌山

20枚醸し出す一幅の絵

■お気に入りレコードジャケット　

　ぶらくり丁のレコード屋で生まれ育ったものだから、レコードのジャケットには、とりわけ愛着があるのかもしれません。ＳＰ盤がＬＰ盤に変わり、さらにデジタルになったＣＤ盤さえ、その役割を終えようとしています。そんな令和の時代に、「人生で一番お気に入りのレコード２０枚」というコーナーを今春オープンしたカフェに設けました。

　レコード愛好家に、２０枚のレコードをご自身のコレクションから選んでいただき、ジャケットを展示するのです。最初にお願いしたのは、自らもサックスを奏でるジャズ愛好家・平松博さん。「ウーン、選びきれるかな」。思い入れのあるレコードを並び順も工夫していただくと、あら不思議、一幅の絵のような雰囲気をかもし出すではありませんか。これには、二人して大喜びしてしまいました。

　平松さんが東京の学生時代、間近でライブを見たアート・ブレイキーのサイン入り、２０００年に来和した秋吉敏子さんのサイン入りなど思い出深いものから、大御所ボーカルのサラとエラ、衝撃的なジャコなど名盤も多く、日本のジャズレコード史が見事に切り取られコラージュされています。ジャズ愛好家がその思いを語ったら何時間もとまらないでしょう。

　平松さんのジャズ・ジャケット２０は今月いっぱい。「次はどうする？」。相談すると、コレクターがリレーすることに。平松さんからバトンを受けるのは小倉一毅さんです。「ザ・ビートルズとその周辺」という２０枚を選んでいただけるそうです。楽しみです！

　会場はＳＯＧＵＣＡＦＥ（和歌山市狐島２９８の１　ＦＯＸＹテラス２Ｆ。０７３・４８８・１３７７。ｈｔｔｐｓ：／／ｓｏｇｕｃａｆｅ．ｃｏｍ／）。６月１日から当分の間。１１～２０時、観覧は無料ですが、飲食が必要です。

　LURU MUSIC 狐島　代表　岩橋和廣

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