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教えて! がったん

この時季聞くほら貝 意味は?

写真:「松の勧進」は地区によって回る日が決まっている。雷鳴がとどろく中でも、漆塗りの勧進箱を持った山伏がほら貝を吹いていた=山形県鶴岡市羽黒町荒川 拡大「松の勧進」は地区によって回る日が決まっている。雷鳴がとどろく中でも、漆塗りの勧進箱を持った山伏がほら貝を吹いていた=山形県鶴岡市羽黒町荒川

 今年も残り1カ月。日に日に寒さが増すこの時季、庄内地方にはほら貝の音が響きます。この音にはいったい、どんな意味があるのでしょうか。朝日新聞山形総局のマスコットキャラクター「がったん」が解説します。

◆ 山伏が松例祭の浄財を集めている

 ――ほら貝を吹いて、何をやっているの?

 出羽三山神社(山形県鶴岡市羽黒町手向(とうげ))の「松の勧進」(11月15日〜12月30日)という行事だ。神社によると、江戸時代から続いている。大みそかから元日にかけて、羽黒山頂で行われる「松例祭(しょう・れい・さい)」に必要な費用を工面するため、羽黒の山伏たちが民家を回って浄財を募っているんだ。

 ほら貝の音は、呼び鈴の代わり。到着を知らせ、「羽黒山、松の勧進」と言って、家々を訪ねる。「初穂料」として浄財を受け取り、引き換えに家内安全や無病息災のお札を渡すんだ。「松聖(まつ・ひじり)」と呼ばれる山伏が祈願したものだよ。浄財に決まった額はなく、コメを奉納する人もいる。コメはおにぎりにして、松例祭で振る舞うんだ。

 ――松聖ってどんな人なの?

 羽黒山伏の最高位とされている。松聖は2人。1人を「位上(い・じょう)」、もう1人を「先途(せん・ど)」と呼んでいる。毎年、羽黒山の門前町・手向地区に住む60歳以上の男性2人が選ばれる。毎年9月24日から100日間の修行「冬の峰」に入り、その満願の祭事が松例祭だ。

 ――なぜ2人なの?

 競い合うことが、験力(げん・りき)の高まりにつながるはずだと考えられているからだよ。かつて、修行中はずっと羽黒山頂の斎館に寝泊まりしていたけれど、今は前半の50日間はそれぞれの自宅で行う。後半の50日間を斎館で一緒に過ごし、天下泰平や五穀豊穣(ほう・じょう)のために朝昼夕の祈祷(き・とう)などに励むんだ。

 修行中は厳しいルールがある。肉や魚を食べてはいけないし、刃物を体に当てることも禁じられている。ひげをそることもできないんだ。

 ――松聖が直接、浄財を集めて回るの?

 松聖が歩くのは、手向地区など限られた地域。12月1日からは旧鶴岡市内に入ってくる。松聖の代理で、「小聖(こ・ひじり)」と呼ばれる山伏や神社職員もほかの庄内地方の一円を回っているよ。

 ――松例祭の準備はどうなっているの?

 祭りは、松聖が修行で得た験力を競い合う。「大松明(おお・たい・まつ)引き」や「火の打ち替え神事」などが夜を徹して続く。祭りに使う綱などの準備も松の勧進と並行して進んでいる。

 大松明は、疫病をもたらすツツガムシに見立てている。地区の若者らが位上方、先途方に分かれて火のついた大松明を引き合って焼き払う。その燃え方などで優劣を決めて新年を占うんだ。位上方が勝てば豊作に、先途方が勝てば豊漁だ。「浄財や見物など関わるすべての人の修行にもつながっています」と神社の担当者は話しているよ。

 ――祭りは重要無形民俗文化財に指定されているね。

 担い手は地区の若者たちが中心だ。でも、少しずつ減っている。最近では、地区以外の若者や見物客にも声を掛けて引き手を確保しているそうだよ。よくわがったん?(佐藤孝則)

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