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根ほり葉ほり

県産米の開発 雪若丸の次は

写真: 拡大

 ◆ 県水田農業試験場開発研究専門員 中場理恵子さん(52)

 県産米の新品種「雪若丸」が昨秋、本格デビューを果たした。全国でブランド米が次々と生まれ、しのぎを削る中、今後の品種開発はどうするのか。県水田農業試験場(鶴岡市)で育種を専門とする中場理恵子さん(52)に聞いた。

 ◆ 三つの品種で変化に対応

 ――雪若丸が本格デビューして、一区切りですね。

 5年ごとに育種目標を立てていて、今年度から第6期に入りました。1〜3期の成果で大きなものが「つや姫」、4〜5期が「雪若丸」。デビューまで10年以上かかりますが、実はこれ以外にも毎年3〜5種類、世に出しています。鳴かず飛ばずで、すぐ消えていくものもありますが……。

 ――命名前の雪若丸は山形112号でしたね。

 酒米やもち米なども含めた通し番号で、山形番号と言います。今は山形149号まであります。開発したものを選抜し、世に出して良いと思ったものに番号を振ります。その後、県内外の試験場に配り、良い評価を受けた品種だけが雪若丸のようになれます。

 ――さらに新たな開発に挑む必要はあるのですか?

 高価格のブランド米は各地で良いものができて、これから少し、ふるい分けが起こると思います。つや姫や雪若丸が、コシヒカリのように長生きできる品種になれば良いんですけど。

 ◆ 中山間地向け

 ――今期の目標は。

 早生のブランド米、中晩生の多収品種、食味も良い晩生の三つ。一番ホットなのは、早生ですかね。

 つや姫には栽培の適地があり、県内で作れない中山間地域があります。山形県には早生のオリジナル品種がまだなく、早く寒くなってもちゃんと実る「あきたこまち」に依存しているところもある。そんな地域から「ブランド化できるお米がほしい」という声が根強くあります。

 経営体当たりの作付面積が増えているので、平野部でも「はえぬき」やつや姫と刈り取り時期が重ならない早生に、需要はあるのではないかと考えています。

 ――開発の状況は。

 最終段階です。山形137号と139号を比べて確認しています。139号は病気や寒さに強く、137号は普通の年の収量や食味が良い。甲乙つけがたいですが、来年ぐらいまでに決着を付けると思います。

 ◆ 需要増す多収

 ――ブランド米が出そろってきた一方で、多収品種は需要が広がっているようですね。

 (コンビニ弁当などの)中食、外食も増えて、多収が売れるお米の主流になってきていて、どこも開発に力を入れています。なので、多収品種もさっさと世に出さないといけません。

 目標は、はえぬき並みの食味で10アール当たり700キログラム以上。育成は、稲の形とか田んぼの様子を見ながらやるので、収量を度外視して食味を追求していた時よりも面白いですね。

 ◆ 温暖化に備え

 ――晩生を開発する狙いは。

 温暖化への準備をしようということです。

 はえぬきは当初、8月8日ごろに穂が出ましたが、今は4日ごろ。早い年だと1日ごろです。出穂が早いと、田植えからの期間が短くて大きくなれないし、高温で品質が下がります。

 出穂が遅いつや姫も前倒しになれば、つや姫より遅い米を十分作れるようになるかもしれません。良い田がいっぱいある山形でずっと米を作り続けられるような品種を提供していきたいな、と。

 ――社会や環境の変化に対応していくのですね。

 独りよがりで誰も良いと思ってくれないものを作っても仕方ないですから。あきたこまちやひとめぼれみたいに、よその県でも作ってもらえる実力のあるものが作れると良いですし、それが一番うれしいですね。(聞き手・上月英興)

 ◎ ちゅうば・りえこ 1966年、埼玉県生まれ。小学校1年で鶴岡市に移る。弘前大農学部(現・農学生命科学部)を卒業し、89年に山形県に採用。2017年から現職。自宅では、地元農家から直接買ったお米を食べる。最近は、つや姫とはえぬきという。

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