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根ほり葉ほり

行政の負担 ボランティアに

写真: 拡大

 ◆ 県動物愛護推進協議会委員 山村牧子さん(48)

 2017年度の県内の猫の殺処分数は260匹で、4年前の13年度の2304匹に比べて10分の1近くに減りました。とはいえ、手放しで喜べない状況のようです。どんな背景があるのでしょうか、県動物愛護推進協議会委員の山村牧子さん(48)に聞きました。

 ◆ 猫の殺処分減少 手放しで喜べない?

 ◆ 出生数は同じ?

 ――殺処分数が減ったのはなぜですか。

 13年に改正動物愛護法が施行され、保健所が安易な猫の引き取りをしなくなったことが、大きな要因です。ただ、10分の1になったからといって、一概に喜べるわけではありません。

 17年度に県内の道路や公園などの公共の場所で死んでいた猫の収容数は3220匹でした。13年度は3541匹だったので、微減に過ぎません。この数字から、殺処分数は減っても、猫の出生数は大きくは変わっていないことが推測できます。

 現在、猫たちを引き取って、新たな飼い主を探しているのが、猫の保護に関わるボランティア。県の統計に出てくる殺処分数は減りましたが、これまで行政が担っていた負担がボランティアに移行しているというのが実感です。

 ――負担の移行とは、どういうことですか。

 同法の施行以降、猫の引き取り依頼が明らかに増えました。17年に「えんたね猫」という団体を立ち上げ、定期的に保護猫の譲渡会を開催していますが、新たな飼い主に引き取られていく猫の数より、「猫を引き取ってもらえませんか」という相談の方が多いことがあります。

 たとえば昨年、猫の出産期である4〜6月中旬に引き取りの相談があった猫は163匹いましたが、対応できたのは6割に満たない96匹でした。この時期に依頼のある猫の多くは、離乳期未満の子猫。授乳や医療費などで金銭的、時間的な負担が大きく、依頼を断るしかなかった猫がたくさんいました。とてもボランティアだけでは対応できない状況です。

 ◆ 手術の支援を

 ――行き場がない猫を減らすには、どうしたらいいのでしょうか。

 猫は、繁殖力が強い動物です。1年に2、3回出産し、1回の出産で4〜8匹が生まれます。メスは生後6カ月ごろから出産できるため、1匹のメスを放っておくだけで1年後には何十匹もの猫が生まれる可能性があります。野良猫が増えれば、騒音やふんなどの問題につながります。行政には、環境問題として取り組んでほしい。

 県は昨年、猫を飼う際の心構えなどを記した「猫の適正飼養ガイドライン」を作成しました。もっと積極的に周知する必要があると思います。

 特に野良猫は、責任を持つ飼い主がいないので、行政で不妊・去勢手術の支援を進めてほしい。遊佐町はすでに手術の助成を実施しており、寒河江市でも新年度から助成を始めます。時間はかかりますが、こうした取り組みを広げていくしかありません。

 ――飼い主が気をつけることは。

 猫は15年ほど生きます。飼い主になる人には、「看取(み・と)り」まで責任を持つことを徹底してほしい。

 自宅の中で飼うから手術はしないという飼い主もいますが、8年前の東日本大震災では、逃げ出した猫が出産して野良猫が増えたという報告がありました。生まれてくる命に責任が持てないのであれば、必ず手術をしてほしいです。(聞き手・宮谷由枝)

 ◎ やまむら・まきこ 1970(昭和45)年生まれ。山形県小国町出身。5年ほど前、知り合いに頼まれ、繁殖させすぎて世話ができなくなった「多頭飼育崩壊」の現場で犬のえさやりボランティアをしたのがきっかけで、犬や猫の譲渡や飼い主への啓発活動に取り組むように。2016年に県動物愛護推進協議会が発足した当初から委員を務める。

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