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高校野球【第101回全国高校野球選手権大会】

2019夏/居場所もがいて見つけた

写真: 拡大

 ◆ 東桜学館 外塚泰智選手

 一回裏、東桜学館の攻撃が始まる前。先頭打者の庄司早甫(そ・う)選手(3年)のもとに、控えの外塚泰智選手(3年)が歩み寄る。「思い切り振ってこい。いつも通りのフォームでな」

 各回の攻撃前、打席に向かう仲間のそばに行って声を掛け、打撃フォームを確認する。この1年間、ずっと続けてきたことだ。

 中学1年の頃、目の手術を機に、野球を一度やめた。高校進学後に再び始めたが、3年間のブランクは大きかった。まっすぐ投げたはずのボールがなぜか曲がる。振ったバットは空を切る。全体練習に入れず、壁当てや素振りを1人で続けた時もある。

 自分がチームにいる意味って何だろう――。昨夏の大会前、チームの力になれない自分が悔しくて、考えた。自分が活躍できなくても、チームを強くできる方法はないだろうか。

 思いついたのが「打撃コーチ」だ。練習中、チームメートの傍らに立ち、バットの軌道や姿勢を細かく見つめ、気づいたことを口にした。

 14日の2回戦。決勝打を放った庄司選手は、水平にバットを振り抜き、中越えの三塁打にした。この打撃フォームは、外塚選手が昨冬から助言しながら一緒に作り上げた。仲間の快打に「自分のことのようにうれしかった」と話す。

 18日の3回戦、外塚選手は代打で途中出場。六回、次打者席へ歩く外塚選手に、鏡海人主将(3年)が近づいてきた。「楽しんでいけよ」。この日、東桜学館の選手たちは、それぞれが打席に向かう仲間に歩み寄り、声をかけた。ずっと続けてきたことが、気づけばチームに浸透していた。

 安打は打てず、試合にも敗れた。でも、自分が続けてきたことに、みんなが応えてくれた。チームにいる意味が、見つかった気がした。(西田理人)

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