メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

02月24日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

高校野球【第101回全国高校野球選手権大会】

2019夏/闘病の祖父へ届けた本塁打

 ◆ 竹花裕人選手

 打球が左翼ポールに当たったのは見えなかった。でも、三塁側アルプス席からの地鳴りのような歓声ですぐにわかった。「ホームランだ」。ダイヤモンドを回りながら思った。「おじいちゃん、やったよ」

 九回表2死一塁、竹花裕人選手(3年)が左越えに2点本塁打を放った。バントの構えから、バットを引いて強振する「バスター打法」で内角高めの直球を捉え、貴重な追加点を挙げた。

 腎臓の病気を患い、長野県内の自宅で闘病生活を続ける祖父の谷十郎(や・じゅう・ろう)さん(78)を、今度は自分が支えたかった。

 5学年上の兄とともに、幼稚園に通う頃からボールを握り始めた。その頃からずっと応援してくれたのが谷十郎さんだ。中学時代には、週末の練習試合に欠かさず足を運び、バッティングケージも手作りしてくれた。

 高校進学を控え、竹花選手は長野県の実家から離れて、当時2年連続で甲子園に出場した鶴岡東に進むか悩んだ。谷十郎さんから離れるのは気がかりだ。だけどやっぱり、甲子園に行きたい。「山形で頑張ってこい」。背中を押してくれたのは谷十郎さんだった。「おじいちゃんを甲子園に連れて行く」と約束した。

 今春、足の指を骨折。一時は夏の出場が危ぶまれた。それでも、谷十郎さんに雄姿を届けたいと、筋力トレーニングやバント練習など、できることをやり続けた。山形大会でレギュラーに復帰すると、大会打点王に。「甲子園決まったよ」と親よりも先に谷十郎さんに報告。電話越しに泣いて喜んでくれているのがわかった。

 竹花選手の父・長雅さん(50)によると、谷十郎さんは昨年末ごろから体調が優れず、治療を諦めかけていたという。だが山形大会中、勝ち上がるたびに竹花選手が電話をすると「医師も驚くほど元気になっていった」。長雅さんは「お互いの存在が力になっていたのかな」と話す。

 そして、迎えた夢の舞台。実は本塁打は公式戦で初めてだった。竹花選手は「全国放送の甲子園でしか、テレビ越しには届けられなかった。ちょっとは恩返しができたかな」。

 試合後、長雅さんが電話をかけると、谷十郎さんは「こんな幸せなことはない」と、また泣いて喜んだという。(西田理人)

PR情報

ここから広告です

PR注目情報

山形総局から

山形アサヒ・コムをご利用頂きありがとうございます。皆様のご意見・ご感想・ニュースや身近な話題などお気軽にメールでお寄せ下さい。お待ちしております。メールはこちらから

朝日新聞 山形総局 公式ツイッター

関連サイト

別ウインドウで開きます

注目コンテンツ

  • 写真

    【&w】カカドゥの不思議な野鳥たち

    ノーザンテリトリー〈PR〉

  • 写真

    【&TRAVEL】遊び心満載の豪華客船

    船上でサーフィン?〈PR〉

  • 写真

    【&M】廃虚の朽ち果てていく美しさ

    「変わる廃墟展 2019」

  • 写真

    【&w】劇場鑑賞券を3組6名様に

    「&w」読者プレゼント

  • 写真

    好書好日旅するように異国料理を作る

    宮崎あおいさん初の料理本

  • 写真

    WEBRONZAカーシェア急拡大

    今日の編集長おすすめ記事

  • 写真

    アエラスタイルマガジンこれぞ手軽な手土産の大本命

    手土産に縁起のよい「虎家喜」

  • 写真

    T JAPAN未来を変えるコスメ 第2回

    全米で話題の「CBDオイル」

  • 写真

    GLOBE+注目は年齢差だけではない

    マクロン大統領夫人の実像

  • 写真

    sippo絶滅の危機に瀕するトラ

    生態は猫とほぼ同じ

  • 働き方・就活

  • 転職情報 朝日求人ウェブ