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根ほり葉ほり

ネットいじめ 防止するためには

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 ◆ 山形大学術研究院准教授 加納寛子さん(48) 

 ネットの掲示板やSNS上での仲間はずれや誹謗(ひ・ぼう)中傷に苦しみ、自殺する子がいる。誰でもネットで情報発信できる時代のいじめを防止するため、気をつけなければならないことは何か。「ネットいじめ」を長年研究してきた山形大学術研究院の加納寛子准教授(48)に話を聞いた。

 ◆ 情報を使いこなす力 育成を

 ――「ネットいじめ」は現実のいじめと何が違うのでしょうか。

 学校や保護者から見えにくく、被害がずっと続く点です。例えば、教室でいじめを受けて服を脱がされ、様子を動画に撮られたとします。いじめを避けて家に引きこもっても、加害者が動画をネットに投稿すると、何百万という人の目に触れます。半永久的にネット上に残るため「デジタルタトゥー(入れ墨)」と呼ばれる問題に発展します。

 学生に聞くと「見なければいい」という意見が多いのですが、何十年も経ってから被害者が意図せず目にして、ショックで自殺するケースもあります。

 ◆ 発信者必ず特定

 ――対処法は。

 根絶するとしたら北朝鮮のように政府が通信を管理するしかありませんが、憲法21条が保障する「表現の自由」「通信の秘密」に抵触します。憲法との兼ね合いが難しいですが、警察や専門家が調べれば発信者は必ず特定できるので、深刻化する前に積極的に摘発し、一罰百戒の姿勢を見せてほしいです。

 ――気をつけるべきことは何でしょうか。

 大事なのは一人ひとりの情報リテラシー(使いこなす能力)です。

 ネットに文章や動画を投稿する時は知らせたい相手だけではなく、世界のどこかで誰かが見ているという怖さを念頭に発信する必要があります。

 また「見た人がどんな思いをするか」「自分の意図を誤解される危険性はないか」と考えなくてはいけません。情報を受け取る場合も「この情報は本当か」と問い直す癖をつける必要があります。

 ◆ 学習の義務化を

 ――こうしたリテラシーはどう養うのでしょうか。

 いまの親の世代は子どものころネットがあまり普及していなかったので、パソコンやスマホの使い方は知っていても、その中を流れる「情報」の判断力や分析力が育っていません。だから親や教師が的確に教えるのは難しいでしょう。

 小中高校では情報リテラシーを養うカリキュラムはあまり広がっていません。その結果、子どもたちは「あの子が盗みをしたらしい」といったネット上の誹謗(ひ・ぼう)中傷も、根拠を確かめずに広めたり信じたりしてしまう。誰もがいじめの加害者にも被害者にもなる可能性があるので、大人も含めて学習を義務化しないといけないと思います。

 ――ネットいじめを見つけた場合、どう対応すべきでしょうか。

 不適切な投稿を見つけた場合、その画面や画像を保存し、サイトの管理者に削除を求めてください。チームを組んで、いじめをやめるよう促す書き込みをするのも効果的です。エストニアやモンゴルなど、送られてきたメールの真偽の判断やSNSの適切な活用を、幼いうちから子どもたちに教育している国もあります。日本でも、政府がリーダーシップを取って実践してほしいと思います。 (聞き手・星乃勇介)

 ◎ かのう・ひろこ 1971年、岐阜市出身。専門は情報教育学。東京学芸大学教育学部卒、早大院の国際情報通信研究科博士課程を単位取得満期退学。愛知産業大短期大学部で専任講師を務め、2004年から山形大に。日本情報教育学会会長などを歴任。

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