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根ほり葉ほり

犯罪加害者家族の人権 どう守る

写真: 拡大

 ◆ 弁護士 遠藤凉一さん

 全国で初めて、弁護士会として犯罪加害者の家族の相談に応じる「犯罪加害者家族支援センター」が県弁護士会に設置されてまもなく1年になる。設置を発案した弁護士の遠藤凉一さんに現状や課題を聞いた。

 ◆ 事件前の生活へ 他業界と連携 

 ――なぜ加害者家族への支援を始めたのですか。

 関心を持ったのは、加害者家族を支援する仙台市のNPO法人「ワールド・オープン・ハート」の活動を知ったことです。

 集会に参加し、加害者家族の生の声を聞きました。家族が起こした事件を機に、生活に困窮したり、子供がいじめられたりするなど悲惨な状況に置かれていることを知り、加害者家族の人権擁護は弁護士の責務だと感じました。

 ◆ 11カ月で12件

 ――これまでにどれくらいの相談がありましたか。

 センター設置から今年9月末までの11カ月間で、12件の相談がありました。想像より少なかったです。

 周知不足もありますが、「身内から犯罪者を出してしまった」という負い目から困っていても相談できない方も多いのではないでしょうか。

 加害者家族は、世間の偏見や周囲の冷たい視線にさらされます。支援の趣旨を多くの人に理解してもらうよう努力しなければなりません。

 ――どんな相談が寄せられていますか。

 「被害者から損害賠償を求められた」「夫が逮捕されて生活費に困っている」「被害者にどう謝罪すればいいか」などです。主に加害者の親や妻からです。

 県外からの相談も多いです。センターでは電話で相談を受け、弁護士が面談し、課題の解決を図ります。しかし、県外の相談者に山形へ来てもらったり、弁護士が訪ねたりするにはお金がかかります。そのため、電話相談だけで終わるケースがほとんどでした。全国の弁護士会が同じような取り組みをしないと、「真の支援」にはつながらないと実感しました。

 ◆ 支援体制整備 

 ――相談を受け、どのような解決を目指すのでしょうか。

 加害者家族が事件前と同じ生活に戻ることです。弁護士ができることは、訴訟の相談や生活保護申請の同行など法律関係に限られますが、ほかにも様々な支援が必要です。

 そこで今年度、力を入れているのが他業界との連携です。事件後にふさぎ込んでしまった加害者家族を精神面などで支えるため、ソーシャルワーカーや臨床心理士らの団体と話し合いを進めています。

 また、事件後に引っ越しを余儀なくされる家族もいるので、不動産業者とも連携できれば。センターを入り口にいろんな支援ができる体制を整えてたいと思っています。

 ――今後どう取り組みを進めていきますか。

 弁護士会による加害者家族支援は課題山積です。

 私が関わってきた犯罪被害者への支援もまだ不十分なのですが、県内では犯罪被害者の支援条例が制定され、性犯罪の被害者に対応する「やまがた性暴力被害者サポートセンター」ができるなど少しずつ充実してきました。加害者家族の支援の充実には、もっと時間がかかるかもしれません。地道に続けていきます。(聞き手・宮谷由枝)

 ◎ えんどう・りょういち 山形市生まれ。中央大学法学部を卒業後、1988年に弁護士登録。20年近く前から犯罪被害者の支援に取り組む。近年は加害者家族の支援にも力を入れ、昨年11月の県弁護士会(023・622・2234)内へのセンター設置で中心的な役割を果たした。弁護士になる前、飲食店ですしを握っていた経験もある。

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