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やまがた医療塾

医療的ケア児

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 ◆ 本人と家族の負担軽減急務

 医療の発展に伴い新生児の死亡率が低下する一方、日常的な医療的ケアを必要とする子ども(医療的ケア児)が増えています。

 医療的ケア児とは、日頃の生活で人工呼吸器の装着や、口や気管からのたんの吸引、のみ込みができず、胃にチューブで栄養を直接送る「胃ろう」などの必要がある子どもたちのことです。2005年は全国で9987人(19歳以下)でしたが、18年には1万9712人と約2倍になりました。在宅で人工呼吸器を使用する子どもは264人から4178人と10年余りで約16倍に増えています。

 県内の医療的ケア児はこれまでに96人(18歳以下)が確認されています。通院・通学時の移動の困難、医療的ケア児に関わる人材の不足といった課題があり、レスパイト(子どもを短期間預けて家族が休息をとること)の充実も必要です。こうした状況を踏まえ、「山形県医療的ケア児支援会議」が発足し、県内各圏域ごとに協議の場を設け、支援体制づくりを進めています。

 通院の負担を減らすため、在宅医療支援も推進しています。定期的な健康観察や薬の処方を訪問診療で行うことで、遠方からの通院を減らし、本人と家族の負担を軽減できます。県医師会では「小児科主治医同行訪問事業」として、在宅医の訪問診療に小児科の主治医が同行し、子どもの症状や医療的ケアの注意事項などを伝え、家族と在宅医の橋渡しの役割を担っています。今後、在宅医療を進めていくには、在宅医、主治医、地域の小児科医の「3人主治医体制」の構築が大切です。

 人手不足も課題です。訪問看護ステーションや児童発達支援施設などでは、スタッフの知識や経験が少ないため、医療的ケア児の受け入れが難しいのが現状です。山形大学医学部と県は看護師や学校の先生などを対象に、医療的ケアについてのオンライン講義、実習、緊急時の対応法についての講習会を開き、受け入れ可能な施設を広げようと活動しています。

 ほかにも学校での医療的ケア児の受け入れや看護師配置、災害時対応の体制構築など課題はたくさんあります。医療的ケア児と家族に加え、医療関係者、行政、事業所、学校や保育所など周囲の多くの人たちが課題解決に向けて取り組んでいます。お互いに役割分担をし、連携しつつ協働していくことが重要です。

 ◎ 中村和幸(なかむら・かずゆき) 1977(昭和52)年、埼玉県深谷市生まれ。山形大学医学部を卒業後、鳥取大学医学部脳神経小児科、横浜市立大学遺伝学教室などを経て2017年から山大医学部小児科助教。専門は小児神経学、てんかん、臨床遺伝学。

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