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(コバケーのブラジル入門)

 僕たち「30代後半以上の、サッカーがマイナースポーツだったころにやってた人たち」には、サッカーにおいて、韓国代表に対するある種のトラウマのようなものがあります。

 若い人にはピンとこないかもしれませんが、長く勝てない時期がありました。日本サッカー協会イヤーブックによると、通算成績は日本の13勝38敗22分。Jリーグが発足する前年の1992年までで言えば、6勝31敗13分。93年以降は、7勝7敗9分と五分です。

 1985年W杯予選の、どんだけ曲がったんだという木村和司さんの伝説フリーキック、太ももピチピチの短めパンツなどとともに、「韓国つええ。勝てねえ」という心象は、僕らの脳に刷り込まれています。

 それが今や、日本はアジアの中でもW杯常連の強豪として韓国と肩を並べるようになりました。思えば遠くへ来たもんです。

■目立ち度対決は日本の勝ち?

 隣国にしてライバル。今大会では調子が良くないようですが、代表の試合ぶり、スタンドの盛り上がりなど、気になります。「サポーターとしての勝負」にも勝ちたい。22日のアルジェリア戦を「偵察」に行きました。

 日本代表ユニホームだと気まずいので、スーパーで買った赤いTシャツを着てスタンドに。扮装の「目立ち度」対決を見たところ、日本の方が多彩で、はじけている人が多いですね。おなじみ「テーハミングッ」は、力強いです。最後が「グッ」で終わるのが、力を入れやすいんでしょう。ブラジルの人も、一緒に叫んでいます。ただ、ブラジル人サポーターの取りこみ方は、日本の方が上かな。

 前半26分に失点、2分後にさらに失点。意気消沈した一瞬を突かれました。スタンドは静まり返ってしまいました。日本の初戦と似ています。相手のかなり危険なファウルにも、あまり激しくブーイングしないところも似てますね。

 後半に2点を返すも、守備が修正できないまま、計4点を失いました。韓国の特徴であるメンタルの強さも感じられませんでした。

■相手が上に行くとくやしい?

 何やら複雑な心境です。日本より上に行かれると、くやしい。でも、あんまりふがいないと、それはそれでなんか嫌。韓国が「壁」だった時代を知っているからかもしれませんが、ライバルには強くあってほしい。

 別れた彼女がすごくキレイになっても嫌だし、見た目に全然気を使わなくなってても嫌だし、というような感じ? 違うか。

 そもそも、お隣というのは、何かと競い合うもの。スペインとポルトガル、デンマークとスウェーデン、岡山と広島……。意識し合って当たり前です。

 その辺のところ、サポーターに聞いてみました。

 大学生の朴京訓(パク・キョンフン)さん(22)は「日本にすごく上に行かれると、それはくやしいです。ただ、最近の日本は強いなと思いますよ」。ブラジルで会社員として働いているというキム・マイケルさん(23)は「日本は短いパスや組織的な戦い方、韓国はスピードや体力という特徴がある。今回の韓国代表は若くてあまり強くないけど、4年後8年後を見据えてるんだ。どちらが上に行くとかじゃなく、アジア勢にどんどん成功してほしいね」

 なんと立派な……。「日本が早く負けるとスカッとする」という人の話も聞いてみたかったのですが、見つけられませんでした。個人的には、相手が「早く負けるとうれしい」くらい、強烈に意識し合うサポーターがいてもいいと思っています。誹謗(ひぼう)中傷し合うのでなければ。

 がんがん意識して、強いライバルに、日本スタイルを貫いて勝ちたい、そう思います。

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