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 広島・長崎の惨劇を招いた核兵器と、福島第一原発事故につながった「平和利用」という名の原子力民生利用。この二つは基本的には同じ物理原理の応用ですが、これまで別次元のものとして扱われてきました。「核兵器」を「原子力兵器」とは呼ばず、「原子力発電」を「核発電」と言わないことからも分かるように、私たちは「核」と「原子力」の言葉を暗黙のうちに使い分けてきました。

 しかし、広島・長崎に加えて福島の核被害を経験した今、核兵器と原発は密接につながっているとの認識に立ち、「核と人類は共存できるのか」を問い直す時代がきています。

 朝日新聞は核と人類の関係を包括的に考えるため、「核と人類取材センター」をこの春、大阪本社に発足させました。原爆投下から70年を迎え、世界の核管理の基本となっている核不拡散条約(NPT)の再検討会議が開かれる2015年に向けて、情報発信を強化するのが目的です。

 核兵器を持たない国に、代わりに原発技術を利用する権利を保障したNPT体制は、1970年の発効以来、逆に核の拡散リスクを高め、北朝鮮の核実験やイランの核開発疑惑を招いています。一方で、2011年の福島の事故は、核エネルギーを安全に制御できない現実を見せつけました。

 事故の収束・廃炉への道筋も見えず、廃棄物の最終処理技術も確立されていない中で、政府は成長戦略の名の下に地震国トルコや台湾、政治的に不安定な中東などへの原発輸出を推進し、核のリスクをいっそう高めようとしています。

 人類が核の恐怖を感じないですむ世界をいかに実現していくか。次世代を担ういのちに希望ある未来を受け渡すためにも、読者の皆さんと考えていきます。

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