性別や地域、民族など、生まれながらの境遇で、受けられる学びに差があっていいのか。乗り越える動きが広がっている。

■短大3部、女子の受け皿に

 男の子に比べて、受けられる教育に格差があるとされる女の子。東北大の研究で、親の学歴や収入、地方出身かどうかなどの家庭環境を数値化し、子どもが教育を受ける「期待教育年数」を算出すると、兄弟よりも姉妹の方が少なく、兄弟間の差は家庭環境が厳しいほど大きくなった。

 男女の大学進学率の差は、都道府県によっても異なる。武蔵野大の舞田敏彦講師の研究で、差が最も大きい北海道では、男子の進学率が女子の1・39倍に達した。一方、最も差がない徳島県では、県内の大学でみると入学率が女子は45%で男子の30%を上回る。徳島のある県立高校の進路担当教諭は、「短大に行っていた学力の女子も4大に入りやすくなり、大学は下宿しなくても通えるところに集まっている」と話す。

 経済的に厳しい女子高生の進路の受け皿になっているのが、働きながら学べる准看護師の養成校や短期大学の「3部」だ。

 准看護師養成校は、2年で准看護師の試験を受けることができ、病院で働くこともできる。また、正看護師の学校より学費も安い。全国的に定員は減っているが、厚生労働省の調査では、全国の准看護師養成校の平均入学倍率は、2007年度の1・9倍から、13年度は2・9倍に。ある県立高校の進路担当教諭は「ここ数年は倍率が上がって入りにくくなった」と嘆く。

 北海道内のある准看護師養成コースは、准看の学校がない地域から志望する学生もいて、倍率は3倍と高い。近年は社会人入学が増え、女子高生は減少傾向だったが、来春の志願者はやや増えた。今後は、准看護師コースの定員を20人増やす予定だという。

 短大3部は、経済的な事情で進学しにくい学生のために設置され、現在は全国に6大学ある。授業は午前中のみで、一般的な短大より学費が安い。岐阜聖徳学園大学短期大学部(岐阜市)では、14年度は50人の定員に128人が志願した。担当者は「じわじわ増えている」と話す。

 愛知県の女子短大3部に通う学生(18)は、4人きょうだいの3番目。「大学はお金がかかる」と就職を考えていたが、保育士の夢を追いたくて進学した。月5万円の奨学金を学費にあて、スーパーでのアルバイトで教科書代などを払う。同級生はみな、似たような境遇だという。(山本奈朱香、杉原里美)

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