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 「ぶちくらせ!」。サッカーJ2・ギラヴァンツ北九州のサポーターが応援で使っている言葉が賛否両論を巻き起こしている。サポーターは、「倒せ」という意味の方言で地元愛を込めていると主張する。だが、「北九州のイメージを悪くする」との声も寄せられる。J1昇格をめざすクラブは頭を悩ませている。

 6月14日。ホームの本城陸上競技場(北九州市八幡西区)にロアッソ熊本を迎えての「九州ダービー」。

 「ぶちくらーせ、ぶちくらーせ」

 ギラヴァンツがチャンスを迎えると、小刻みな太鼓のリズムに合わせ、チームカラーの黄色一色に染まったスタンドで、サポーターの大合唱が始まった。

 サポーターグループ「本満会」の染岡勇輝会長は「サッカーは勝負事。『倒せ』と応援してもおかしくないし、地元愛が選手にも伝わるはずだ」と話す。

 しかし、同じ九州のロアッソのサポーターは「はじめ『撃ち殺せ』と聞こえてぞっとした」。

 国立国語研究所の木部暢子教授(方言学)によると、「くらす」には「倒す」だけではなく、「殴って倒す」という意味も含むという。「不良が『くらすぞ』と言うときは、『ぼこぼこに殴るぞ』という意味合いで使っている」。強調語の「ぶち」が、「くらす」をさらに強めており、木部教授は「応援にはふさわしくないのでは」。

 ギラヴァンツを運営するクラブ幹部によると、スポンサーを含め、様々な批判が寄せられるという。小学生の子をもつ親からは「教育上よくないので、スタジアムには行きたくない」と言われたという。