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 総務省は24日、通信業界への指針(ガイドライン)を改定し、携帯電話のGPS情報を犯罪捜査に使いやすくした。裁判所の令状があれば、携帯会社が本人に知らせなくても位置情報を得られるようにし、詐欺集団などの摘発にいかす。

 改定前は「取得を本人に知らせる」という条件がついていた。知らせると証拠を隠されたり、誘拐犯なら被害者に危害を及ぼしたりするという指摘があった。今後、警察庁などは振り込め詐欺といった犯罪の拠点捜査などにいかす考えだ。

 総務省が4~5月に改定案への意見を募ったところ、「捜査目的なら問題ない」という支持の一方、令状だけで捜査機関の乱用の歯止めになるのかという疑問や、事後的にでも知らせるルールをつくるべきだという提案が寄せられた。日本弁護士連合会は、「刑事訴訟法を改正して令状要件を定めるべきだ」との意見書を出した。総務省は「捜査機関が令状を正しく取得すれば、捜査の適正性もプライバシーへの配慮も担保される」と回答した。

 事業者がどう対応するかもまだ定まっていない。人気のスマートフォン「iPhone」は原則、携帯会社がGPS情報を得られるしくみがなく、製造元の米アップル社の協力が欠かせない。情報を得られる端末でも、販売済みの端末は本人に知らせないと情報を得られないしくみになっているため、アプリの更新などが必要だ。GPS情報を通知なしで捜査機関に提供する可能性があると利用者に説明するかどうかも含め、「対応を検討中」(NTTドコモ)という。