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 東芝が過去の決算で不適切な処理をしていた問題で、当時社長だった佐々木則夫副会長(66)が、予定通りの利益を上げられない部署に、会議の場やメールで「工夫しろ」と指示していたことが、9日、関係者の話でわかった。問題を調査している第三者委員会(委員長=上田広一・元東京高検検事長)も事実を把握しており、この発言が利益の水増しや損失隠しを引き起こしたとみている。

 前社長の佐々木氏は副会長を辞任する方向だ。第三者委は、社内メールなどをもとに社員らを聴取して確認した模様だ。聴取を受けた社員らは、発言を「会計を操作しろ」という趣旨だと受け止めたと話しているという。

 第三者委は、当時副社長だった田中久雄社長(64)がこの指示を認識していたことも把握しており、月内に出す調査報告書にも盛り込む。田中社長の責任も厳しく問われそうだ。

 指示は、月に1回担当者が事業の状況を報告する「月例報告」という会議と、それに関連するメールであった。月々の利益が計画に達していない担当者を強い口調で「工夫しろ」と指示した。決算の公表は3カ月ごとのため、佐々木氏は利益が計画を下まわっている状況が決算に反映されるのを避けたとみられる。

 佐々木氏はリーマン・ショック後の2009年6月に社長に就任。東芝の09年3月期の営業損益は約2500億円の赤字だった。自身が主導して06年に買収した米原発大手のウェスチングハウスなど原発事業で「15年度に売上高1兆円」という目標を掲げて経営の柱に据えたものの、11年3月の東京電力福島第一原発事故で、目標の撤回に追い込まれた。