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 作家・池井戸潤さんの直木賞受賞作「下町ロケット」(小学館)がTBSでドラマ化されることが決まった。「半沢直樹」などのヒット作が生まれた「日曜劇場」枠で、10月から全国TBS系で放映される。

 「下町ロケット」は、研究者の道をあきらめ、父の町工場を継いだ佃航平が主人公。大手企業の理不尽なたくらみをはね返し、経営をめぐり意見が分かれた会社をまとめながら、自ら手がけたエンジンで国産ロケットを飛ばすという夢を実現させる。直木賞に選ばれた時には「人々の希望を繫(つな)ぐ爽快な作品」と評され、文庫を含め127万部に及ぶベストセラーになっている。

 主役の佃航平役は、映画「テルマエ・ロマエ」やドラマ「新参者」などで人気を集める阿部寛さんに決まった。阿部さんは「モノ作りへの信念を持ち、安易な方へ流されず、挑戦し続ける佃航平の姿に共感しました。これでもかと追い込まれ、振り回されながらも闘っていく、強さも弱さも持った佃の人間としての全体像に向き合いたい。土屋さんとの共演も非常に楽しみです」と話す。

 佃の娘で高校生の佃利菜役は、NHKの朝の連続ドラマ「まれ」で注目され、若手女優として成長著しい土屋太鳳(たお)さんが演じる。土屋さんは「TBS『日曜劇場』の時間には、たくさんの感動や元気をもらってきました。時代を超えて年代を超えて、いろいろな人の生き様を感じてきた時間……その時間に出演させていただくこととなり、心も体も引き締まる思いです。日本を支える『ものづくり』の心と技術への情熱を、役と一緒に見て、聞いて、全力で感じたいと思います」と話す。

 制作陣は演出を福澤克雄ディレクターが、プロデューサーを伊與田英徳氏が務める。伊與田氏は「池井戸さんの代表作の熱量に応えられるよう、日本が元気になるような熱いドラマにしたい」と話している。

■新聞連載とドラマが同時進行

 10月から朝日新聞朝刊の広告特集で池井戸潤さんによる連載小説「下町ロケット2」が始まる。10月に始まるTBSのドラマは全10話の予定で前半が「下町ロケット」の内容をもとにし、後半は「下町ロケット2」を原作とする。11月下旬からはドラマと新聞連載が同時進行する異例の試みとなる。

 「下町ロケット2」は、ロケットエンジンの高品質なバルブ作りに成功した佃製作所が、心臓手術に必要な部品作りに取り組む物語で、挿絵は「銀翼のイカロス」の表紙などで池井戸作品を彩ってきたイラストレーターの龍神貴之さんが描く。龍神さんは「池井戸さんの代表作の続編に挿絵を描かせていただくのは、とても光栄です。ドラマとの連動を含めて新たな取り組みにわくわくしています。良い絵を添えられるよう全力で頑張ります」と話している。

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■池井戸さん「わくわくする試み」

 阿部寛さんが主人公・佃航平をどう演じてくださるのか、ドラマ「半沢直樹」と「ルーズヴェルト・ゲーム」でお世話になった福澤克雄監督がどんな世界を展開してくださるのか、一視聴者として楽しみにしています。現在「下町ロケット」の続編を執筆中ですが、久しぶりに佃たちに出会え、充実した時間が過ぎています。テレビと新聞連載の融合という初めての試みにも、胸躍る思いです。

 「下町ロケット」には、スーパーヒーローは登場しません。いわば、どこにでもいそうな人たちを描いた群像劇です。いくら平凡であっても、感動のない人生はありません。毎日コツコツと働いているひとが、息抜きにでも読んでくれて、「ああ、おもしろかった」といって本を閉じてくれる。同時に、忙しさに埋没して忘れていた何かを思い出す。そんなきっかけを与える小説になれば、これに勝る喜びはありません。

《池井戸潤》 作家。1963年、岐阜県生まれ。慶応義塾大卒。98年に「果つる底なき」で江戸川乱歩賞、2010年「鉄の骨」で吉川英治文学新人賞、11年「下町ロケット」で直木賞を受賞。「半沢直樹」シリーズ最新刊は「銀翼のイカロス」。(〈広告特集〉企画・制作 朝日新聞広告局)