[PR]

 全国で初めて愛知県で「JK(女子高生)ビジネス」を全面的に取り締まる改正青少年保護育成条例が施行されてから2カ月。性犯罪につながる危険があるJKビジネスに対し、県警は条例を初適用するなど徹底した捜査を展開している。被害に遭わないために――。実態解明と本格的な対策は始まったばかりだ。

■「指名競うため、過激に」

 「『このぐらいならいいか』と感覚がまひしていた」。改正条例の初適用で経営者の男(51)が逮捕された名古屋市の見学クラブ「スタジオEe」。約2カ月間、働いていた愛知県内の少女(17)は店での体験をこう振り返った。

 高校進学は経済的な理由であきらめたという。勤めていた飲食店を辞め、収入に困っていた今春、インターネットで「スタジオEe」の求人を見つけた。

 ホームページに載っていた業務内容は「制服を着て、しゃべったり、トランプをしたりしているのを見られるだけの仕事」。本当なのかメールで問い合わせ、同じように説明され「危険はなく、給料もいい」と応募を決めた。

 数日後、面接のため店を訪れ、案内された部屋に入ると、壁の一部がマジックミラーになっていた。「キャスト」と呼ばれる制服姿の5人の若い女性がくつろいでいた。ミラーの向こう側に客がいて部屋をのぞいているという。

 突然、電話が鳴った。すると、赤いひもの名札をつけた一人が立ち上がった。ミラーの前に進み、スカートをたくしあげたり、よつんばいになって下着を見せたりする「パフォーマンス」を始めた。青いひもの子は座ったままだった。

 「赤と青、どっちがいい? 赤のほうが稼げるよ」

 少女は「性風俗で働きたくない」と思っていた。しかし、ミラーに自分が映っているだけで、意外と抵抗感はなかった。「赤でお願いします」と答えていた。

 指名があれば、指名料の半分が給料に上乗せされる。「指名を競うため、過激になっていった」。初めは体育座りするだけだったが、下着の中に手を入れるようになった。飲食店では週6日働いて月収約10万円。スタジオEeでは週5日、ほとんど座っているだけで15万円を超えた。「楽して稼げるから、はまりかけた」

 改正条例施行を前に、県警の捜査員から7月以降は、違法行為になると知らされた。「親が悲しむことはしたくない」と店を辞め、別の仕事に就いた。

 スタッフから性行為を求められたキャストもいた。「『もっと稼げる』と言われて過激な仕事を紹介されていたらやっていたと思う。思い出すと怖さがこみあげてくる」(杉浦達朗)