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 裁判など法律実務で多く使われる「判例百選」シリーズの「著作権判例百選」を巡り、編者の一人だった大渕哲也・東京大教授が、改訂版で編者から外されたのは著作権の侵害に当たるとして、出版社の有斐閣を相手に出版差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てたことが分かった。

 申し立ては8月18日付。大渕氏側が問題としているのは、9月下旬に発行が予定されていた「著作権判例百選(第5版)」。第4版は2009年12月に発行され、著作権をめぐる113の重要な判例を、学者や裁判官、弁護士らが解説。表紙には大渕氏を含め4人の編者が名を連ねている。

 申立書によると、大渕氏側は5版について、判例や執筆者が4版と9割近く一致している点を指摘。「4版を原著作物とする二次的著作物であることは明らか」とし、自らに編集著作権があると主張している。一方、有斐閣側は、4版で判例や執筆者の選択といった実質的な作業をしたのは別の研究者で、「(大渕氏は)計4人の執筆者の推薦・除外を要請したにすぎない」などの理由から、そもそも4版の「編集著作者ではない」と反論。一般的な編者と、著作権法上の編集著作者は異なるとの解釈で争っていく構えだ。