大学が都市部の駅前にキャンパスを新設する動きが、首都圏に続き近畿圏でも加速している。18歳人口が減るなか、アクセスなど利便性をアピールするねらいだ。移転によって学生が去った自治体は、新たな振興策を迫られている。

 立命館大(京都市)は今春、大阪府茨木市に「大阪いばらきキャンパス」を新設した。5年前、サッポロビールの工場跡地約12万平方メートルを190億円で購入。JR大阪駅から快速電車で約12分の茨木駅近くにあり、京都と滋賀の2キャンパスから約5500人が移った。

 「教育環境を維持しつつ規模拡大をめざすには、2キャンパスでは限界」と担当者。「兵庫や大阪南部も通学圏内に入り、広く学生を呼び込める」。将来の展開に備えて、敷地内に約1万1千平方メートルの空き地を残す。

 校舎には、壁一面がスクリーンになる大教室や学部ごとの共有ラウンジを整備。8月のオープンキャンパスには2日間で約7千人が訪れた。兵庫県尼崎市の高校3年石井美羽さん(17)は「通学に便利で校舎もきれい。受験勉強にも張りが出ます」と話す。

 周辺に全国有数の商業施設が集積するJR大阪駅から徒歩5分。大阪工業大(大阪市)は市立小学校跡地を90億円で購入し、22階建て校舎を建設中だ。2017年春からロボット工学科などの約1200人が学ぶ。上田和徳・学長室長は「少子化のなか、多額の投資は一つの挑戦だが、都心に進出する価値は大きい」と期待を込める。

 国立の大阪大も今年6月、大阪府箕面市のキャンパスを、大阪都心部から直結する同市内の北大阪急行の新駅前に移転すると発表。21年春、駅直結の高層校舎に約3千人が移り、大学の中核施設に位置づける計画だ。