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 日本の電子書籍市場は、参入ストアが100を超える乱立状態で、多くの会社は赤字が続いている。一方、ドイツでは、書店大手4社が合同で立ち上げた電子書籍ブランド「tolino(トリノ)」が、サービス開始から1年余りでアマゾンの「キンドル」のシェアを抜いた。共通ブランドの導入は日本でも可能なのか。ドイツの“成功例”に注目が集まっている。

 「少し前なら、ライバル書店同士が連携するなんて考えられなかった。でも、競争しなければいけない相手はアマゾン。共通の敵がいることが、私たちの『糊(のり)』になった」

 6月末のベルリン。国内2位の老舗書店「フーゲンドゥーベル」のニナ・フーゲンドゥーベル社長はそう語った。日本雑誌協会や日本書店商業組合連合会など出版関連の業界団体で作る「日本出版インフラセンター」と業界紙「文化通信」が企画した視察ツアー。出版社や書店の幹部約20人がメモを取りながら耳を傾けた。

 トリノが扱う電子書籍は書店などで販売する専用端末「トリノ」やタブレットで読むことができる。端末は自由価格で、ほとんどの書店は1銭の利益も上がらない値段をつけて売っている。利用者は、端末を購入した書店のページを通じて電子書籍を購入。各書店には自社のページ経由で売れた商品の売り上げの一部が還元される。書店にとっては、端末を販売することで顧客を囲い込める仕組みだ。

 フーゲンドゥーベルは他の書店大手「タリア」「ウィルトビルト」とともに開発段階からトリノに関わった。それまで自社の独自端末を持っていた書店もあったが、いずれも成功していなかった。フーゲンドゥーベル社内にはライバル書店と協力することに反対の声はあったが、「書店の未来は電子書籍にしかない」と説得したという。