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 お年寄りから赤ちゃんまで、国民全員を12ケタの番号で管理する「マイナンバー」の通知が10月から始まり、来年1月から国や地方自治体が持つ個人情報が番号で結びつくようになる。企業向けの研修が連日大盛況になるなど、社員のナンバーを管理することになる経営者たちは準備に躍起だ。夜の繁華街などにも影響は広がっている。

 京都・祇園のクラブの男性経営者は「昼間の仕事をしながらうちのクラブでバイトをしている女性たちが『副業がばれてしまう』とみんな戦々恐々としている」と打ち明ける。

 クラブの経営者がホステスに報酬を支払う場合、報酬から一定割合を所得税として天引きする「源泉徴収」が義務付けられている。ホステスの側は天引き後の報酬から衣装代などの必要経費を差し引いた所得を計算して確定申告する。

 ただ、大阪・北新地で20年以上クラブを経営する女性は「職場に夜の副業がばれるなどの理由でまともに確定申告している人は珍しい」と打ち明ける。店側も実在しない女性の名前で源泉徴収するなどホステスの所得がわからないよう配慮することが少なくないという。

 2017年1月から「源泉徴収票」へのマイナンバーの記入が必要となる(中途退職者は16年1月から)。繁華街の事情に詳しい国税局OBの税理士は「国税局などが報酬を得ているのに確定申告をしていないホステスを把握しやすくなる。一方、そもそも源泉徴収をしないなど違法なクラブが増える可能性がある」と指摘する。

 商機ととらえる業界も。

 富士通総研によると、制度の対策にかかる初期投資の市場規模は約1兆円にのぼるとみられるという。

 電機大手の「日立製作所」(東京)では10月からマイナンバーの収集から管理まで代行するサービスを始める。18年度末までに約195億円の販売目標を掲げる。「情報が漏れると罰則があることもあり、自社での管理のセキュリティーを気にして選んでもらえている」と担当者。

 マイナンバーを記載した書類は所管法令に基づく保存期間が過ぎれば速やかに廃棄しなければならない。大阪市のオフィス機器販売会社「日本機器」ではシュレッダーの注文が7月ごろから急増して普段の倍以上に。8月にはメーカーの生産が追いつかず品切れになり、予約待ち状態だ。

 一方、大阪府箕面市の武田恭子・社会保険労務士は「破格に高い金額のシステムの営業を受けたという相談もある。専門家に相談したり、同業者で情報交換したりして判断してほしい」と注意を呼びかけている。(西村圭史、坂本泰紀)

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