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 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉は5日、米アトランタでの閣僚会合で大筋合意した。これにより国内総生産で世界の4割近くを占める巨大経済圏がアジア太平洋地域に生まれる道筋がついた。関税が下がることで、輸入食品が安くなったり、日本の輸出車を海外で売りやすくなったりするなど、日本の食卓や産業にも影響しそうだ。

 甘利明TPP相ら、参加12カ国の閣僚による会合が5日朝(日本時間5日夜)再開し、大筋合意を確認。報告を受けた安倍晋三首相は5日夜、記者団に「妥結に至ったことは、日本のみならず、アジア・太平洋の未来にとって大きな成果であった」と語った。

 協定は各国の議会承認などを経て発効する。

 日本が重要農産品と位置づけ、関税維持をめざしていたコメについては、関税を維持したうえで日本が米豪向けに無関税輸入枠を設定。米国向けは当初5万トンで、13年目以降は7万トンにする。豪州向けは当初6千トン、13年目以降は8400トンにすることで決着した。

 重要農産品では、乳製品も参加国向けの低関税輸入枠を設ける。脱脂粉乳とバターの合計で当初計6万トン(生乳換算)とし、6年目以降は7万トンに広げる。いまは38・5%の牛肉関税を16年目以降に9%、低・中価格の豚肉の大半は、1キロ最大482円の関税を10年目以降に50円に下げる。

 外国の農産品が安く輸入されることで、日本国内の農家が打撃を受ける可能性もある。

 重要農産品以外では、ワインの関税を8年目までに撤廃するなど、幅広く関税をなくしていく。これにより、関税をなくす割合を示す「貿易自由化率」は95%となり、日本が過去に結んだ自由貿易の協定では最も高くなる。

 一方、日本が撤廃を求めていた米国向けの自動車関税は、いまの2・5%を15年目から段階的に削減し、25年目に撤廃することで決着した。

 全体の交渉で最も難航した医薬品のデータ保護期間をめぐっては、「実質8年」で合意。日本は現行の保護期間が8年で、大きな変更はない。

 TPP交渉は2010年3月に始まり、日本は13年7月から参加した。各国の利害が対立して交渉は難航し、今回の会合も、当初1日までだった予定が5日までずれ込んだ。5年半に及ぶ交渉の末、ようやく大筋合意した。(アトランタ=清井聡、鯨岡仁、大畑滋生)

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