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 音楽大手のエイベックス・グループ・ホールディングスが、日本音楽著作権協会(JASRAC)に任せていた約10万曲の著作権管理を系列会社に移す手続きを始めた。JASRACによる著作権管理事業の独占状態が、初めて変わる可能性が出てきた。

 管理事業者はレコード会社や放送局、カラオケ店、飲食店などから著作物の使用料を受け取り、作家らに著作権料を分配する。JASRACは国内最大の事業者で、300余万曲を管理している。

 エイベックスによると、移行の対象はCDの販売や放送、レンタルなどにかかる権利で、安室奈美恵やEXILE、浜崎あゆみらの楽曲も含まれる。今後、それぞれの楽曲の著作権者の合意を取り付け、系列の著作権管理事業者「イーライセンス」に管理を任せる。一方、コンサートやカラオケ、店舗のBGMを含む演奏権の管理はJASRACに残すという。

 「イーライセンス」の管理手数料は、たとえばCDを販売した場合、使用料の5%で、JASRACの6%よりも安い。その分、権利者への分配金が多いとされる。また、無償の宣伝用CDを作るときは使用料を取らないなど、レコード会社の宣伝活動をしやすくしている。

 先月30日、子会社のエイベックス・ミュージック・パブリッシングが「イーライセンス」と著作権管理事業者「ジャパン・ライツ・クリアランス」の株式を取得。将来的に3社による新しい著作権管理会社の設立を目指しており、今回の移行は事業統合に向けた調整の一環とみられる。

 エイベックスの担当者は「使用料や手数料の選択肢を用意することで、競争を生み出し、音楽業界を活性化させたい」と話す。

 JASRACはテレビやラジオで流れる楽曲の使用料を徴収する際、曲が流れた回数や時間を問わず、一定の金額を支払えばすべての楽曲を何回でも使える「包括契約」を結んでいる。こうした徴収方法が独占禁止法違反(私的独占)にあたるかが争われた訴訟で、最高裁は4月、「ほかの事業者の参入を著しく困難にしている」と判決で指摘した。(岡田慶子)