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 川崎市健康安全研究所が昨年3月、新型のノロウイルスを世界で初めて見つけた。感染症研究のエキスパートによる指導の下、若手職員らの情熱が実を結んだという。ウイルスに感染すると下痢や嘔吐(おうと)などの症状が出る。流行しやすい冬場に差しかかり、研究所は注意を呼びかけている。

 新しい生命科学の街として整備が進む川崎区殿町にある研究所では、感染症などの検査や研究が進められている。新型ウイルスは、ウイルス・衛生動物担当の職員5人が発見。昨夏に国際機関で登録され、今夏には英文の感染症専門誌にも掲載された。5人は功績をたたえられ、10月に市から表彰を受けた。

 研究所によると、ヒトに感染するノロウイルスには主に31の遺伝子型があり、過去の流行では「GⅡ・4」というタイプが多く検出されてきた。今回は若手職員らが医療機関から送られてきた便検体を調べ、珍しい「GⅡ・17」であることを確認。さらに掘り下げ、過去のものとは遺伝子の並び方が一部異なる新型の「GⅡ・17」であることを突き止めたという。

 国立感染症研究所の感染症情報センター長などを務めた岡部信彦所長が指導し、国立感染研に遺伝子配列の確認をしてもらったり、国際的論文への助言を受けたりしたという。「『ノロウイルスでした』と確認するだけでも行政機関の検査としてはおかしくない。一地方の衛生研究所でもここまでできることを示せたと思う」と岡部所長は話す。

 新型は長野、埼玉、栃木各県など国内ばかりでなく、中国、台湾、米国などでも確認されている。遺伝子型が異なるため、過去に「GⅡ・4」に感染して免疫がある人でも、新型「GⅡ・17」に感染する可能性がある。川崎市では今年2~3月、新型「GⅡ・17」が「GⅡ・4」より多く検出されたという。

 ノロウイルスはほとんどが口か…

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