【動画】佐藤信介監督がiPad Proを試用=戸田拓撮影
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 アップルは14日までに、12.9インチの大画面iPad、「iPad Pro」を発売します。画面サイズがひときわ大きいだけでなく、これまでは正式サポートしてこなかったペン入力をサポートし、初代iPadから5年ぶりに、純正のキーボードも用意しています。「Pro」の名を冠するだけに、今までの製品とはちょっと違った趣のものとも思えます。アップルも「クリエーター志向」を明確にしています。

 では、実際にはどんな使い勝手になっているのでしょうか? ここではあえて、プロのクリエーターの目線での評価を見てみたいと思います。現在公開中の映画「図書館戦争―THE LAST MISSION―」を手がけた映画監督の佐藤信介さんに、発売前のiPad Proを数日間お預けし、実作業を想定した使い方をしていただいた上で、感想を聞きました。そこからは、パソコンではなく「iPadである」価値はどこなのか、映画監督という職業における新しいデバイスの意味などが見えてきます。

 なお、実際の使い勝手をよりリアルに体感していただくために、インタビュー中に撮影した動画も配信します。ペンの書き心地などが気になる方は、合わせてご覧いただくことをお勧めします。(ライター・西田宗千佳)

■映画の「流れ」を作るためにiPadが活躍

 「大きさもペンも、とてもいいです。今まで持ったことがないようなサイズ感で、最初は驚きの方が大きかったです。でも、使い始めてみると、すぐに画面に入り込んでしまい、新製品にありがちな、取っつきにくさは全くありませんでした」

 結論から言えば、佐藤監督のiPad Proへの評価は、非常に高いものでした。佐藤監督は、2010年発売の初代iPadからの利用者で、企画から撮影に至るまで、ほとんどの業務の中でiPadを使っています。

 現在はiPad miniを日常的に持ち歩き、活用しています(写真3)。ですから、iPadの使い勝手については人一倍厳しい目を持っています。その佐藤監督の目から見ても、iPad Proは満足度の高い製品と感じられたようです。

 「iPad miniが出た時に、このサイズがいい、と感じて買い替え、もう何台目かになります。スマートフォンがあって、もちろんパソコンも使っていて……という形だと、逆に9.7インチのiPadが中途半端で、行きどころがなくなっていたんですよ。でも、Proのサイズだと、まったく違ってきます」

 大きい画面ならパソコンでいいのでは……と思われるかもしれませんが、そうではないのです。薄い板状でカメラと通信を内蔵していて書き込みもしやすい、という要素が重要なのです。佐藤監督のiPad Proについての評価を理解するには、まず、「映画監督」である佐藤さんが「道具としてのiPadになにを求めているのか」を知る必要があるでしょう。

 「映像は『流れ』です。脚本が設計図なんですが、あくまで文字で書かれたイメージなので、それを映像の流れに変えていかなくてはなりません」

 佐藤監督はそう説明します。その作業は頭の中でやるわけですが、多数の登場人物が入り乱れ、ドラマとアクション、大掛かりな仕掛けやコンピューターグラフィックス(CG)などが絡み合う複雑なシーンになると、整理すべき情報はどんどん増えていきます。カメラのアングルから弾着の数まで、スタッフと共有すべき情報は多岐にわたります。そこでは、絵と文字の両方で情報を整理することが求められます。

 佐藤監督は、脚本を映像にする…

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