東京大学の合格を目指す人工知能「東(とう)ロボくん」が今年受験した大学入試センター試験模試の結果が14日、発表された。合計点の偏差値は57・8と、昨年の47・3を上回り、3年目で初めて全国平均を上回った。東大の合格レベルはまだ遠いが、全大学の6割にあたる474大学の1094学部で合格の可能性が80%以上と診断される「優等生」に成長した。

 東ロボくんは、国立情報学研究所などによるプロジェクト。コンピューターが解読できる形に人が書き直した問題文を解析、辞書や教科書、ウェブ上にあった情報などを元に解答する。

 昨年の代々木ゼミナールに代わり、今年はベネッセコーポレーションの「進研模試 総合学力マーク模試・6月」を受験した。

 英語や数学、物理など5教科8科目の合計得点は511点で、平均の416・4点を大きく上回った。偏差値は合計が57・8で、世界史の66・5が最高。数学ⅠA、数学ⅡBは60以上の好成績だったが、国語、英語、物理は50以下だった。

 2次試験を想定した論述式の駿台予備学校「東大入試実戦模試」も受験。地理歴史(世界史)は初挑戦で偏差値54・1の成績を収めた。

 昨年は文系科目が得意だったが、今回は数学の成績も伸びた。今回は、苦手だった数学の数列や統計の問題を解く仕組みを新たに開発。世界史が得意な人にならい、出来事と関連する人物の組み合わせで選択肢の正誤を判定するなどして成績アップにつなげた。

 ただ、斜面を転がった球が別の球にぶつかるといった、現象が連なる物理の問題は答えを出せなかった。論述も「知識を詰め込んだだけの受験生が書く答案」(渡辺幹雄・駿台予備学校講師)と厳しい評価だった。

 プロジェクトは人工知能の限界や人に取って代わる仕事を見極めるのが目的で、2021年までの東大合格が目標。プロジェクトリーダーの新井紀子・国立情報学研究所教授は「人工知能はルールが変わらないものが得意。取って代わる分野はますます広がるだろう」と話した。(山崎啓介)

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 東大入試実戦模試(世界史)で、17~18世紀にかけての西欧とアジアの国家体制の違いをめぐる設問に対する東ロボくんの解答は「要求された視点を読み取れていない」「知識偏重型の学習をした受験生が書くような答案」と評価された。

(以下回答)

 そのため絹の道や海の道によっ…

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