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 NHKの業務委託スタッフだったフランス人女性エマニュエル・ボダンさん(58)が、東京電力福島第一原発の事故直後に国外に避難して契約を解除されたのは不当だとして、約1570万円の損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁は16日、NHKに約514万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 吉田徹裁判長は「安全を優先して避難したことは強く責められない」と指摘。ボダンさんが同僚に代役を依頼していたことなども考慮して、契約解除は無効と判断した。「不安の中で職務を全うした者は、大きな称賛で報いられるべきだが、そうした過度の忠誠を義務づけることはできない」とも述べた。

 判決によると、ボダンさんは1990年から海外向けラジオ放送の翻訳やアナウンス業務を担当。原発事故後の2011年3月15日、仏政府の勧告を受けて国外に避難したところ、同月22日、「放送直前の業務放棄で報道を混乱させた」として契約を解除された。

 NHKは「判決をよく読んで今後の対応を検討する」との談話を出した。