東京都港区。赤坂見附駅から徒歩数分という都心の一等地に、5階建てのモダンな建物がある。金沢市に本院がある宗教法人「伝燈(でんとう)院」が2年前に開いた「赤坂浄苑」だ。広さ400平方メートル超の敷地に、本堂や、約3700基を収容できる納骨堂を備えている。

 納骨した遺族は、ホテルのロビーのようなラウンジを抜け、2~3階の参拝室へ向かう。参拝ブースは計12あり、ICカードをかざすと奥の納骨庫から骨つぼが入った「厨子(ずし)」が出てくる。生花は供えてあり、掃除もいらない。夜9時までお参りでき、都会のサラリーマンが仕事帰りに手ぶらで立ち寄れる。

 永代使用料は一基150万円、毎年の護持会費は1万8千円だ。将来、護持会費が払えなくなっても、合祀(ごうし)して永代にわたり供養するという。区画の販売は仏壇・仏具大手のはせがわに委託している。売れると手数料がはせがわに入り、残りは伝燈院が建設費の借金返済に充てる。返済が滞らないよう、はせがわは一定数の販売を保証する。赤坂浄苑では、すでに区画の約3割が売れたという。

 ところが、赤坂浄苑の固定資産税をめぐり、宗教法人側が想定しなかった事態が起きている。今年3月、納骨堂として使う敷地と建物の昨年度分の固定資産税などとして、計400万円余りを納めるよう東京都から求められたのだ。

 地方税法は、宗教法人が宗教目的で使う土地や建物は固定資産税などを非課税にすると定めている。寺や神社のほか、墓地も非課税扱いとされてきた。伝燈院は、納骨堂も墓地と同じ非課税扱いと考えていた。しかし都は、赤坂浄苑が宗派を問わず遺骨を受け入れたり、はせがわに建物内で営業を認めたりしていると指摘し、課税に踏み切った。

 これに対し伝燈院は7月、都に課税取り消しを求める訴えを東京地裁に起こした。角田徳明住職は「ほかで課税された例は聞いておらず、我々だけ課税されるのは納得いかない」と話す。「他の宗派の方も受け入れて布教するのは当然。故人のために毎日読経するなど宗教活動に使っている」という。

 宗教法人が運営する納骨堂は2013年度末で約8千あり、5年前より700以上増えた。大都市圏への人口流入と高齢化を背景に、狭い敷地で多くの遺骨を収容できるビル型の納骨堂の新設が相次ぐ。

 こうした新しいタイプの納骨堂が固定資産税の課税対象になるのかどうか、法律に明確な規定はない。都も「課税するかどうかは実態に応じて個々に判断している」という。伝燈院をめぐる判決が確定すれば、ほかの納骨堂への課税に影響する可能性もある。

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