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 難民の受け入れに反対するデモと、その動きを「難民問題に名を借りた差別だ」として反対する人たちの抗議行動が29日、各地であった。

 受け入れに反対する市民団体がさいたま市大宮区で主催したデモには、埼玉県警によると約80人が参加した。「移民(難民)受け入れ絶対反対」などの横断幕を掲げて行進。パリで起きた同時多発テロを挙げて「難民にテロリストが交ざっていたら、誰が責任を取るんだ」などという声も上がった。

 一方、在日コリアンらへのヘイトスピーチに抗議してきた市民ら約200人(主催者発表)は、その近くで「REFUGEES WELCOME(難民歓迎)」「憎悪に身をゆだねないこと」などの横断幕やプラカードを掲げて対抗した。警察官400人が警備に当たり、休日の繁華街は一時騒然となった。

 「人種差別にレッドカードを」などと書いたプラカードを掲げるサッカーファンの姿も。J1浦和レッズのマフラーを首に巻いたサービス業の男性(48)は「特定の属性や人種の人を不当に差別するような動きは見逃せない」と話した。

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 名古屋市の名古屋駅前には約30人が集まり、「国家崩壊を招く移民(難民)受け入れを断固反対」などと書かれた横断幕を掲げた。パリで起きた同時多発テロも挙げ、「EU諸国は難民が押し寄せて大変な状態になっている」「よりよい生活を求める偽装難民だ」と声を上げた。

 一方、市民ら約30人は、「差別を楽しまないでください」などのプラカードを掲げて抗議した。50代の男性は「戦禍で祖国から逃れざるを得ない状況に追い込まれた難民まで、外国人への憎悪をあおる口実に使う人たちを許せない」。名古屋市の主婦、草地妙子さん(37)は「差別的な活動を見過ごしてきた社会自体に問題があると、道行く人たちに訴えるために参加した」と話した。

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 福岡・天神でも難民受け入れ反対のデモと、デモへの抗議活動があり、「移民・難民の受け入れを阻止しよう」「差別はやめろ」などと、双方が拡声機で訴えた。

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 大阪市北区でもデモがあり、「北朝鮮から難民が来たら受け入れるのか」などの声が上がった。一方、そうした声に抗議する市民も集まり、「差別はやめろ」などと訴えた。