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 シャープをはじめ大手電機メーカーでは人員削減が相次いできた。辞めた人たちの一部は、別のメーカーなどに移って活躍している。再就職が若手に比べて難しいベテランでも、技術があれば採用したいという企業は多い。ただ、全体的に見ると、再就職が「狭き門」という現実は残る。

■腕利き技術者を積極採用

 生活用品メーカーのアイリスオーヤマ(仙台市)は昨年、大阪・心斎橋で開発拠点の「大阪R&Dセンター」を本格的に動かし始めた。家電事業の売上高は、2009年の57億円から14年は420億円に増えた。品ぞろえの強化には腕の立つ技術者が欠かせない。電機メーカーが集まる大阪にセンターを置くのは、転職者らを集めやすいという狙いがある。いまの人員は約30人だが、100人規模まで大きくしたい考えだ。

 シャープを3年前に辞めた雨堤正信さん(59)は、センターで空調機器の売り出し準備に追われる。「スピード感が全く違う。前の職場を引きずるとついていけない」。商品の企画から量産まで1人で責任を負う。発売までの期間は半年ほどでシャープ時代の半分という。刺激があって「転職してよかった」と話す。

 1979年にシャープに入り、冷蔵庫やエアコンの開発に携わった。若手に後は任せようと12年の希望退職に応募した。ものづくりを続けたかったが、面接では不採用が続いた。「50代は思っていた以上に壁が高い」と振り返る。

 西谷久弘さん(62)は、パナソニックを定年退職して移ってきた。専用容器で焼き魚などができる電子レンジの開発などに関わった。ほかの同僚も家電メーカーの出身者がめだつ。

 家電業界のほかにも、技術者の受け入れに前向きな企業がある。子ども用品店の西松屋チェーン(兵庫県姫路市)は、自主企画商品に力を入れている。約80人いる開発の担当者らを、今年度中に100人規模にするため、積極的に採用している。